ホームページ制作会社の乗り換えの方法と注意点を現役Webディレクターが解説【管理会社を変えたい方へ】【2024年最新版】

ホームページ制作会社の乗り換えの方法と注意点を現役Webディレクターが解説

既にホームページを運営している会社で、

  • リニューアルしたいけど今の制作会社に依頼すべきなのか?
  • 別の制作会社に依頼すべきなのか?

このように困っているWeb担当者の方は意外に多いのではないでしょうか。

「過去の付き合いで、今までと同じ制作会社に依頼するか……ただ、デザイン的にもっとこう別の制作会社に依頼したいんだよなぁ…」など、Web担当者ならではの悩みは多いはず。

ここでは、「いざ制作会社を乗り換えよう!」と決断された皆様に、ホームページ制作会社を乗り換える方法と注意点を整理してお伝えします。

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目次
  1. 1. ホームページ制作会社の切り替え・乗り換えを考えるべきポイント
    1. 1-1. 管理費用が高すぎる
    2. 1-2. 対応が遅い・悪い
    3. 1-3. 運営のサポートをしてもらえない
  2. 2. ホームページの引き継ぎ時に必要な情報
    1. 2-1. ホームページのデータ(ソースコード)
    2. 2-2. サーバーの情報
    3. 2-3. ドメインの情報
    4. 2-4. CMSの管理画面へのログイン情報
  3. 3. ホームページ制作会社を切り替える際の注意点
    1. 3-1. 既存の制作会社との契約期間は終わっているか?
    2. 3-2. サーバー・ドメインはどちらが持っているか?
    3. 3-3. 著作権はどちらが持っているか?
  4. 4. 【コラム】制作会社を乗り換えたら本当に管理費用は安くなる?
    1. 4-1. ホームページの管理費の一般的な相場
    2. 4-2. 乗り換えにはコストが伴うことに注意
  5. 5. ホームページ制作の費用がわかる料金シミュレーター
  6. 6. ホームページ制作会社の乗り換えまとめ

ホームページ制作会社の切り替え・乗り換えを考えるべきポイント

筆者自身も数多くの制作会社の乗り換えの相談をさせていただいており、その中で制作会社に対する不安点は、概ね下記の3つに分類されるのではないかと感じています。

  1. 管理費用が高すぎる
  2. 対応が遅い・悪い
  3. 運営のサポートをしてもらえない

この3点に関して、掘り下げていきましょう。

管理費用が高すぎる

まず、この管理費用が高すぎる問題。
まず、なぜその金額が設定されているのか、根拠を明確にするべきです。

Webサイト制作における管理費には、「運用費」と「保守費」の2つがあります。
Webサイト制作における「運用費」とは、「サイトやシステムを改善する・不具合が発生しないようする業務」のことを指し、「保守費」とは、「サイトやシステムに不具合が発生した際に行う業務」のことを指します。

例を挙げてみましょう。

運用費(サイト改善・障害を起こさないようする対応)

  • サーバー監視
  • デザイン改修
  • 機能追加

保守費(障害時の対応)

  • 障害時の復旧対応
  • システムのアップデート作業

運用費に関しては、「デザイン改修〇人日/月」「機能追加〇人日/月」など、しっかりと人日工数を定義している制作会社は、安心感があります。

また、保守費に関しては、障害が起きたタイミングで発生する作業ですので、制作会社側も正確な見積を出すのが難しいのが現状です。
まずは、少なく金額設定されており、作業が超過した分追加で請求する旨を契約にて取り交わしておく必要があります。

制作会社の中には、「保守・運用費」で一括で〇万円と見積を出している場合があり、稼働工数を曖昧にしている場合があります。
この稼働工数を、発注側もしっかりと把握する事ができれば、管理費を抑える事も可能です。
もちろん、この金額の根拠をしっかりと説明できる制作会社もいますが、即答できない制作会社は、乗り換えた方が無難なのではないでしょうか。

対応が遅い・悪い

次に、「対応が遅い・悪い」問題。
問い合わせ後、約〇営業日以内に一次対応などの取り決めをしたが、下記のような問題で不安を抱いている方もいるかと思います。

  • 対応期限をなかなか守ってくれない……
  • 担当者がコロコロ変わる……

これは、純粋に制作会社のリソースが逼迫している可能性が高く、見積金額に対するリソースを捻出する事が困難な状態になっている可能性があります。
案件を抱えすぎた小規模の制作会社によくある場合だと思います。
もちろん、発注側も契約以外の作業依頼をしていないか確認する必要があります。

担当ディレクターの業務スキルによる場合もありますが、まずは改善のために制作会社に相談する必要があります。
複数回改善依頼をしたが、なかなか改善しない…という場合は、制作会社を乗り換えるか、保守を請け負ってくれる制作会社を紹介してもらった方が良いと思います。

運営のサポートをしてもらえない

次に、「運営のサポートをしてもらえない」問題。
まず、どのようなサポートをしてもらえるのかを明確にする必要があります。

例えば、発注側が「PVを上げる施策をして欲しい」や「サイトのページスピードを改善して欲しい」などの要望を出したとします。
しかし、そもそも受注側の制作会社が、その作業を担当範囲外だと認識していると、「その要望は、次回提案に折り込みますね」といったような当たり障りのない回答が返ってきたりします。

もちろん、保守契約時に発注側と受注側の作業内容と作業範囲をしっかりと定義し、両社がしっかりと把握さえしていれば、このような不安点は挙がってこないはず。
契約書を締結していても、契約内容がフワッとしている場合に、このような問題が上がってくる傾向が高いです。

例えば、コーポレートサイトでの運営サポート業務で考えてみます。
ざっとではありますが、下記のような作業があります。

  • ニュースリリースの更新作業を行う
  • 企業広報用のTwitterアカウントの更新作業(週1回)
  • メンバーページの更新業務(月1回)
  • サービスページの更新業務(月1回)

運営のサポートを行ってくれない制作会社がいる場合は、現在依頼している作業内容を洗い出し、その作業が見積に含まれているかいないかのすり合わせが必要です。
しかし、作業スコープを明確にした上で、その運営サポート業務を行ってくれない制作会社も悲しいことに存在します。
この際は、制作会社の乗り換えを検討しましょう。

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ホームページの引き継ぎ時に必要な情報

さて、ここまでで発注側がよく感じる不安点を見てきました。
何度改善に動いても、なかなか改善してくれない。
そして、「もう制作会社を乗り換えるしかない!」と決心された方。ここからが勝負です。
ホームページの引き継ぎを行う上で、必要な情報を説明していきたいと思います。

ホームページのデータ(ソースコード)

ホームページは、HTML、CSS,JavaScript、画像データなどのファイル群で構成されています。
簡易的な説明にはなりますが、このファイル群を、Webサーバに設置することでサイトを表示する事ができるようになります。
現行サイトを今とは別の制作会社へ管理を委託する際には、必ず必要となります。

わからない場合は、制作会社に「ホームページに関連するソースコードを一式ください。」と依頼すれば大丈夫です。

また、WordPressなどのCMS(後述)では、プラグインを自作している場合がありますので、自作しているプラグインの有無を確認しましょう。

サーバーの情報

次に、サーバーの情報です。
サーバーの情報でも、下記2つはしっかりと情報を開示してもらえるようにしましょう。

  • コントロールパネルへのログイン情報(ユーザーID・パスワードなど)
  • サーバーへの接続情報(FTPやSSHなどの接続情報)

前者の「コントロールパネル情報」は、現在利用されているホスティングサービス(さくらインターネット等)への管理画面へ接続するためのIDとパスワード情報です。

また、「サーバーへの接続情報(FTPやSSHなどの接続情報)」は、制作会社のエンジニアが開発のためにサーバーへ接続するための情報です。
制作会社が、保守作業を引き継ぐ上で必ず必要な情報になるので、必ず聞いておきましょう。

もしサーバーの契約を現在の制作会社に代行してもらっている場合は、乗り換え時に、契約会社の名義変更が発生する可能性がありますので、その点も留意しておく必要があります。

ドメインの情報

現在のドメインが、どのドメイン管理会社のサービスで取得されているか確認しましょう。
ドメインとは、「web-kanji.com」のようなサイトへアクセスするURLのことです。
具体的には、「お名前.com」や「ムームードメイン」などの管理画面へのアクセスに必要なユーザーIDとパスワード情報となります。

こちらもサーバーの契約と同様、制作会社に代行してもらっている場合は、登録者名義の変更やドメインの移管作業が必要となりますので、注意が必要です。

CMSの管理画面へのログイン情報

最後に、CMSの管理画面のログイン情報に関して、説明させていただきます。
CMSとは、「Contents Management System」の略で、WordPress や Movable Type など、記事や画像といったコンテンツを管理するシステムのことです。

このCMSには、コンテンツを追加するために必要な管理画面が提供されており、その管理画面へアクセス可能な、ユーザーIDとパスワード情報をもらう必要があります。

WordPressなどでは、発行されたアカウント(ユーザー)に対して、管理者、編集者、投稿者などの権限が設定されている場合が多く、実際に情報を開示してもらうには、「管理者」の権限が付与されたアカウント情報を開示してもらう必要があります。

ホームページ制作会社を切り替える際の注意点

既存の制作会社との契約期間は終わっているか?

制作会社を乗り換える際に気をつけておかないといけないのは、契約解除条件に関してです。
制作会社との保守期間は、一般的に長期で契約(6ヶ月契約や12ヶ月契約)する場合が多く、解約条件に基づいて契約を解約していく必要があります。
例えば、

  • 契約が自動更新になっている(継続契約)
  • 契約解除の場合は、1ヶ月前に申し出る必要がある

などの契約条件で、保守契約が締結されている場合は注意が必要です。
「明日から契約を解約したい!」と思っても、すぐには解約できないのが、企業間の取引。
契約解約を進めるために、解約背景をしっかりと制作会社に説明し、契約書に記載の指定期日までに解約を申し出るようにしましょう。

サーバー・ドメインはどちらが持っているか?

次に、サーバーとドメインの契約主が、どちらになっているか確認する必要があります。
自社で契約をしている場合は、問題ありません。
ただ、サーバーもドメインも契約代行をしてもらっている場合は、注意が必要です。
契約代行をしてもらっている場合は、契約主を変更する必要があるため、登録者名義変更を制作会社へ実施してもらう必要があります。

また、制作会社が他社のドメインも同一アカウントで管理しており、登録者名義変更がそもそもできない場合は、該当のドメインを移管する必要もありますので、注意が必要です。
お名前.comを利用している場合は、「お名前ID付け替え」を利用し、新規IDもしくは既存IDへドメイン管理権限を移動する必要があります。

著作権はどちらが持っているか?

最後に著作権の帰属先について確認を取りましょう。
ソースコードなどの制作物には著作権が存在します。
この著作権が、発注側にあるのか、もしくは制作側にあるのかを確認する必要があります。
仮に、制作側にしか著作権が無い場合は、発注側が勝手にソースコードを利用したり改変したりすると、著作権の侵害となりますので注意が必要です。

また、ストックフォト(レンポジ)やカメラマンが撮影した画像や動画を利用している場合も注意が必要です。
そのような撮影画像や撮影動画には使用期限を設けている場合がほとんどですので、制作会社へ素材の権利の帰属先と使用期限を明確にしてもらいましょう。

【コラム】制作会社を乗り換えたら本当に管理費用は安くなる?

ホームページの管理費の一般的な相場

先ほどもご紹介した通り「ホームページの管理費用」には様々な費用が含まれています。
そのため「月々10万円かかっているなんて、高い!」というは一概には言えません。

その上で、一般的なホームページにおける管理費用の相場は月々5,000円から20,000円の間くらいになります。
SEO対策のレポートやコンサルティングは含まれておらず、下記のような作業になります。

  • サーバーの管理
  • ドメインの管理
  • 軽微なデザインの修正
  • 障害対応

下記の記事にて、ホームページの管理費についてまとめましたので、費用が気になる方は是非ご覧ください。
ホームページ管理費の内訳と相場を徹底解説!

乗り換えにはコストが伴うことに注意

もう1点、非常に忘れられがちなポイントをお伝えします。
それは「ホームページ制作会社の乗り換えにはコストが伴う」ということ。

「他の人が作ったホームページを管理する」ことを、制作会社は嫌がるケースが多いです。

  • ホームページの仕様を0から把握しないといけない
  • 顕在化していないが、隠れたバグがあるかもしれない
  • 自分が慣れた作り方以外の方法で、ホームページを作られているかもしれない

上記のようなリスクやコストがあるためです。
そのため、単純に制作会社の乗り換えを行うだけでもコストが発生する可能性は高いです。

「1万円かかっている保守費用を7,000円くらいにしたい」などのご要望の場合は、かなりの長期間を見据えて乗り換えを行わないと費用を回収できる可能性は低いでしょう。

年間数十万円など、大きく費用を削減したいときに乗り換えをオススメします。

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ホームページ制作会社の乗り換えまとめ

今回は、ホームページ制作会社の乗り換えの方法と注意点について説明させていただきました。

もし制作会社の乗り換えをご検討されている方は、次の4つの情報を制作会社へ確認をしてみてください。

  • ホームページのデータ(ソースコード)を用意してもらう
  • サーバーの情報(ユーザーIDとパスワード、SSHやFTPなどの接続情報)
  • ドメインの情報
  • CMSの管理画面へのログイン情報

サーバーやドメインのアカウント情報(ユーザーIDとパスワード)は、自社でも契約して簡単に取得できるもの。契約代行依頼を出す前に社内でも取得できるか事前の確認をおすすめします。

そして、実際に制作会社を乗り換える際には、次の3つの情報を確認することをおすすめします。

  • 既存の制作会社との契約期間は終わっているか
  • サーバー・ドメイン情報はどちらが保有しているか
  • 著作権はどちらが持っているか

「ソースコードやドメイン情報はもらったけど、契約の制約上作業できない!」「サイトで利用している画像を勝手に使って権利元から注意された!」みたいな事が起きないようにするためにも、この記事で説明させていただいた注意点をしっかりと覚えておきましょう。

もしホームページ制作会社を乗り換えたい場合は、Web幹事にご相談ください。
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Q. ホームページ制作会社を乗り換えるタイミングは?

「管理費用が高すぎる」「対応が遅い・悪い」「運営のサポートをしてもらえない」と感じた場合は、乗り換えを検討しましょう。