「広告運用で薬機法に抵触しない表現を知りたい!」
「薬機法OKの表現で広告をつくると訴求力が落ちる・・・」
リスティング広告の運用者にある日突然立ちはだかる、薬機法という壁。魅力的な広告文ができた!と喜んだのも束の間、薬機法に抵触すれば審査落ちとなってしまいます。
今回の記事では5年以上の実務経験者が、薬機法の由来から、抵触しやすい対象分野、OK/NG事例、役立つサイトなどをまとめました。これからまさに広告における薬機法対策を検討している方は転ばぬ先の杖として役立ててください。
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薬機法とは?
薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
名前が長いので関係者間のやりとりでは、薬機法(やっきほう)と呼ぶのが通例です。わかりやすく言うと、医薬品や医療機器や同等の効果効能を持つ商品やサービスにおいて「有効性や安全性がないものを売らせない・買わせない」ために制定された法律と思っていただければOKです。
法律名から医薬品と医療機器だけが対象のように思えますが、医薬部外品や化粧品、健康食品など、医薬品や医療機器のように身体に何らかの変化をもたらす可能性がある商品はすべて薬機法に抵触する可能性をはらみます。
業界で言えば、医療・美容・健康食品・スポーツなどが該当しますが、それ以外にも該当しそうな商品の広告配信や販売を行う際には押さえておく必要があります。
広告業界歴が長い方は薬事法(やくじほう)を聞いたことがあるかと思いますが、2014年11月の法改正のタイミングで薬機法という名称に変更となりました。
薬機法に法改正したポイントは、医療機器の承認や再生医療関連製品の製造などの促進と、消費者をより守るための規制強化です。薬事法の抵触に悩む製造業者・販売業者の懸念を解消しつつ、消費者がだまされることを防ぐ確率が高まったといえるでしょう。
薬機法の規制対象になる商品の定義
薬機法で規制がかかる商品は主に、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器の4つです。たとえば、化粧品なのに医薬品の定義に含まれるような訴求をした場合に「薬機法に抵触する」とお考えください。薬機法を学ぶうえでの基礎といえる部分なので、以下の4つの定義には必ず目を通しておきましょう。
※医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器以外にも、健康食品や美容家電などは薬機法に抵触しやすい商品があります。くわしくは後述の「薬機法の対象分野」でふれていきます
「バナナで免疫力アップ」は薬機法OK!?
バナナに限らず、野菜や果物など明らかに食品とわかるものを「明らか食品」と呼びます。健康食品は、「医薬品的効果効能」の標ぼうをすると薬機法に抵触する一方で、「明らか食品」は効果効能を謳っても薬機法には抵触しません。とはいえ、何でもOKというわけではなく、風邪が治るなど疾病名を含めた誇大広告は景品表示法や健康増進法に抵触するおそれがあるのでご注意ください。
※具体的にどのような食品が「明らか食品」になるかは各都道府県の薬務課にお問い合わせください
医薬品の定義(第2条1項)
この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。
1.日本薬局方に収められている物
2.人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、 一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)
2.人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)
医薬部外品の定義(第2条2項)
この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
1.次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第(2)号又は第(3)号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
2.人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第(2)号又は第(3)号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
3.前項第(2)号又は第(3)号に規定する目的のために使用される物(前2号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの
化粧品の定義(第2条3項)
この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第1項第(2)号又は第(3)号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
医療機器の定義(第2条4項)
この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
薬機法の対象分野
薬機法に抵触する可能性が高い対象分野と商品例について解説します。該当する商品のリスティング広告を配信する場合には、広告文の文章表現について注意してください。
▼美容系
→肌や皮膚、まつ毛、爪などに塗ったり、機械を当てたりする商品は体の変化を謳う可能性が高く、薬機法に抵触しやすい分野です。
▼食品系
健康食品
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機能性表示食品
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一般食品
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ダイエット食品
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→医薬品のように服用するサプリや、口に含む食品は栄養素自体に効果効能があったとしても、その食品による体の変化を謳えません。
▼医療系
→医薬品や医薬部外品、医療機器として厚生労働省の認可が下りていても、その定義内から逸脱する訴求内容は薬機法の観点ではNGです。
▼その他
→マッサージ器具や施術、運動、ペット用品についても人体や動物の体の変化にふれる可能性があり、薬機法を意識した広告配信や販売が必要不可欠です。
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薬機法に抵触する代表的なNG事例
次に、いよいよ具体的な事例について触れていきます。基本的な考え方としては、「維持」「補う」はOKですが、「変化」「改善」はNGです。あなたの会社が取り扱う商品やサービスのリスティング広告文やバナーの文言の作成時には、ぜひ参考にしてください。
美容系
【商品例】ファンデーション、化粧水、化粧液、シャンプーなど
血行や血流の改善は身体の変化にあたるので、薬機法に抵触します。化粧品関連では、肌の表面までしか記載できないため、角質までに留めてください。ほかに、「アンチエイジング」は言葉自体が医薬品的な効果効能の標ぼうと捉えられるのでNGです。
NG表現
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OK表現
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ほうれい線が目立たなくなる
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弊社商品史上最高のカバー力
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血行を良くする
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ハリつやを良くする
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真皮までアプローチ
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角質層のすみずみまでしっかりアプローチ
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食品系
【商品例】ダイエットサプリ、プロテインなど
「メタボ」もしくは「メタボリックシンドローム」という言葉自体がNGです。また、「痩せる」といった表現も一発アウトです。OK表現のコツとしては、抽象的に効果を想起させるような言い回しに変える方法が有効です。参考にオリジナルの表現を考えてみましょう。
NG表現
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OK表現
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痩せる
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低カロリーなので体重が増えにくくなる
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メタボ生活とサヨナラ
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若々しいスッキリとした生活へ
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脂肪を燃焼する
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体リズムがアップ
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用法容量の記載に注意
サプリに関しては、用法用量の説明文が薬機法に抵触するケースもあります。なぜかというと、医薬品は、正しい服用による安全性を確保するために、飲む時期、飲む間隔、飲む量など用法用量を定めることが必要不可欠であり、サプリに関して同様の記述をすることで「医薬品であるような誤認」をさせてしまう可能性があると考えるからです。主に、サプリを開発するメーカーであれば把握しているはずですが、予備知識として覚えておきましょう。
医療系
【商品例】風邪薬、滋養強壮剤、電子血圧計など
医薬品や医薬部外品、医療機器であっても、科学的に立証されている効果効能以外は訴求できません。実際に、ガンや糖尿病、脳梗塞などが本当に治ったとしてもNGなので、注意しましょう。また、医薬品や医薬部外品の認可を申請中の場合も認可前なので薬機法に抵触します。
NG表現
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OK表現
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ガン予防に効果
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※医薬品などの効果効能の範囲の表現
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糖尿病が治る
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※医薬品などの効果効能の範囲の表現
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●●医師が推薦
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※医薬品などの効果効能の範囲の表現
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その他
【商品例】健康器具やペット用品など
改善や促進といった表現も薬機法NGです。なお、ペットフードなどの犬猫の用品は同じ薬機法であっても、人間の厚生労働省の管轄ではなく、農林水産省の管轄になります。栄養に関するものは「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)も絡んでくるので、ペット用品の広告の際は見ておくといいでしょう。
NG表現
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OK表現
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猫背を改善
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本来の正しい姿勢をキープ
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新陳代謝を促進
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新陳代謝をサポート
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犬独特のニオイが和らぎます
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清潔ですこやかな毛ツヤを保つ
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【無料】リスティング広告の薬機法について相談する
薬機法チェックのために参考にしたい情報
薬機法に関連しそうなジャンルの広告を運用する場合にチェックしておきたいサイトを紹介します。
薬事法ドットコム
サイト名やURLを見てもわかりますが、薬機法(旧薬事法)の老舗メディアです。5年以上経験を積んだWEBライターであれば知らない人はいないでしょう。違反表現や広告事例などはとても参考になります。すべてを読むのは骨が折れますが、関連する部分を読むだけでも薬機法の理解が進みます。薬機法に抵触する可能性がある広告を配信するなら、時間があるときに一度はチェックしておいてください。
薬機法違反に関わる違反表現・広告事例集134選
https://www.yakujihou.com/content/4-C.html
薬事法違反はこれでチェック!薬事法ルール集
https://www.yakujihou.com/content/rule.html
Yahoo!広告
Yahoo!広告でも、薬機法の広告規制についてわかりやすい動画で解説しています。基礎的な内容から、薬機法に抵触しやすい化粧品や健康食品に絞った掲載基準についてまとめられています。Yahoo!によるコンテンツですが、Google広告を運用する際にももちろん応用できるので、リスティング広告運用者は必見です。
【動画でみる】薬機法の広告規制について
https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/pmd_Act_doga.html?sc_e=portal20190228
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【補足】薬機法だけでなく景品表示法も注意!
広告運用において薬機法への抵触は避けなくてはいけません。また、同時に気を付けないといけないのが景品表示法です。実務経験者の間では「景表法」と略されて呼ばれます。商品やサービスの内容や品質などが事実と大きく乖離するような喧伝をする広告は景表法に抵触します。
いわゆる誇大広告と同じ意味と思っていただいて問題ありません。一発アウトのNGキーワードとしては、最高、最上級、最良といった最上級表現などがあります。実態より良く見せかけるような言葉遊びは消費者のタメになりません。正当な表現を用いて広告をつくりましょう。
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薬機法に関する広告文まとめ
広告運用において、業界業種によってはまったく薬機法に抵触しませんが、美容や健康、医療など身体の変化にかかわる分野では薬機法は避けて通れない道です。法律を恐れてまったく訴求力がない広告になってしまわないよう、どうすればOKになるかを日々考えながら訴求力を落とさない広告運用をしていきましょう!
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岩田
Web制作会社を設立し、
3年間で上場企業を含む50社以上制作に携わらせていただきました。
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Q.
薬機法の3原則とは?
薬機法の3原則は「顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確であること」「特定医薬品等の商品名が明らかにされていること」「一般人が認知できる状態であること」です。
Q.
薬機法の広告規制について役立つサイトは?
薬機法の広告規制について役立つサイトとして「薬事法ドットコム」「Yahoo!広告」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。
Q.
薬機法に抵触しない広告表現の例を教えてください。
サプリメントの場合、具体的な病気や効果を謳わず、健康維持や栄養補給に関する情報を提供するのがポイントです。その他の事例は記事内をご覧ください。