- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー オウンドメディア
リテールメディアの活用事例|参考にしたい国内・海外事例を紹介!
新たなマーケティング手法としてリテールメディアが注目されているらしいが、実際どのように活用されているのか?事例を知りたい。そんな企業担当者の方に向け、リテールメディアの概要を解説するとともに、国内 / 海外の主なリテールメディア事例を紹介していきます。
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リテールメディアとは
リテールメディアとは、メーカーやブランドが出稿できる広告枠を持つリテーラー(小売事業者)のメディア(媒体)のこと。オンラインメディアはもちろん、実店舗を活用したオフラインメディアも、リテールメディアに含まれます。具体的には以下の通り。
- リテーラーのECサイト
- リテーラーの公式アプリ
- 実店舗に設置されるデジタルサイネージ
- 実店舗のPOP / ポスターなどの紙媒体
リテーラーのオウンドメディア
このことからもお分かりのように、リテールメディアは「リテーラーにとってのオウンドメディア」です。オウンドメディアとは、自社で所有し、発信する情報をコントロールできるオンライン / オフラインメディアのこと。
これまで、リテーラーのオウンドメディアはオンライン / オフラインを個別に運用する傾向がありました。しかし、近年ではOMO / オムニチャネルといった、オンライン / オフラインを連携 / 融合させたマーケティング戦略が浸透。オンライン / オフラインでの購買履歴をはじめ、顧客行動を一元管理してサービス改善に役立てる環境が整いつつあります。
広告主のペイドメディア
一方、メーカーやブランドなどにとってのリテールメディアは「広告出稿の選択肢となるペイドメディア」です。ペイドメディアとは、対価となる費用を支払って広告を掲載するオンライン / オフラインメディアのこと。
ペイドメディアの代表として挙げられるのは、テレビ / 新聞などのマスメディアですが、インターネットの普及 / 進化にともなって主流はデジタル広告となりつつあります。検索結果に表示されるリスティング広告をはじめ、SNS広告、動画広告などが代表例。これらに加え、新たな広告出稿先として注目されているのがリテールメディアなのです。
注目される理由は1st Partyデータ
それでは、なぜリテールメディアへの注目が高まっているのか。その理由のポイントとなるのが「1st Partyデータ」です。1st Partyデータとは、マーケティングの主体となる企業が収集 / 保有する顧客情報のこと。一般的に、デジタル広告で顧客ターゲティングに利用されるデータは「3rd Partyデータ」と呼ばれます。
通常、メーカーやブランドは3rd Partyデータを活用してデジタル広告を配信していますが、購買履歴をはじめとした詳細な顧客データは入手できません。しかも、ヨーロッパのGDPRに代表されるように、個人情報保護のため3rd Partyデータを収集するためのCookie利用は制限されつつあります。
つまり、広告主であるメーカーやブランドにとって、リテーラーの保有する1st Partyデータを活用できるリテールメディアは、理想的な広告プラットフォーム。従来のデジタル広告に比べ、より精緻なターゲティング / 広告配信が期待できるのです。
一方、リテーラーにとっては、取扱ブランドの販促に役立つことに加え、リテールメディアから広告収入を得ることが可能。リテールメディアを利用するカスタマー(消費者)にとっては、より有益かつ的確な情報を得られるメリットがあります。
リテールメディアの詳細については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:リテールメディアとは|注目の高まる理由や活用の仕組み・メリットを解説!
リテールメディアの国内活用事例
リテールメディアの概要は把握できたが、実際にどのように活用されているのか?具体的にイメージできない。そんな方の参考になるよう、国内外の主なリテールメディア活用事例を紹介していきましょう。まずは、国内のリテールメディア活用事例です。
国内事例1 セブン-イレブン
2022年2月頃からリテールメディアの活用を検討しはじめたというセブン-イレブンは「セブンイレブンアプリ」を起点としたリテールメディア戦略を展開しています。
画像出典:セブン-イレブン
登録会員数2,000万人を超えるセブンイレブンアプリは、7iDと紐付けた購買データ / アンケート機能による定量 / 定性分析が可能。分析結果をもとに、バナー広告 / 動画広告をアプリに配信するほか、新商品情報とともにクーポンを配布するなどの施策を実施しています。
また、自社Webサイトはもちろん、YouTubeをはじめとした外部メディアとの連携、店内に設置されたデジタルサイネージや従業員対応など、店舗のメディア化も推進。データと顧客接点という、リテールメディアに欠かせない要素を兼ね備えた、セブンイレブンならではのリテールメディア活用法です。
国内事例2 イオンリテール
総合スーパーマーケット事業を展開するイオンリテールでは、2017年から提供開始した「イオンお買い物アプリ」を起点としたリテールメディア戦略を開始しています。
画像出典:イオンリテール
1,000万人以上の登録者数を誇るイオンお買い物アプリは、クーポンをはじめとした販促機能を持っていましたが、ID-POSとの連携でより詳細なデータ分析が可能に。メーカーとタッグを組み、アプリ起動時に4秒間表示される「スプラッシュバナー」を配信するなど、リテールメディアとしての活用を開始しました。
現在では、届けたい情報を届けたい人に届けるため、収集したビッグデータをMAツールで解析し、詳細なターゲティングを実施。アプリのバナー広告 / プッシュ通知だけでなく、メールや店舗のデジタルサイネージも駆使した広告施策を展開しています。
国内事例3 トライアルカンパニー
国内300店舗以上のスーパーマーケットを運用するトライアルカンパニー。同社では、バーコードリーダー / タブレットと一体化した「レジカート」および、店内デジタルサイネージを活用したリテールメディア戦略を展開しています。
画像出典:トライアルマガジン
トライアルプリペイドカードで利用できるレジカートは、会計時間短縮や買い物金額の確認が可能など、買い物客にも好評のサービス。このレジカートに設置されたタブレットは、クーポン配布やスキャンした商品に関連するレコメンド表示といった、リテールメディア端末としても活用されています。
商品棚に設置された、顧客の動きにあわせてインタラクティブに内容が切り替わる小型ディスプレイとともに、効果的なプロモーションを実現。店内に設置されたAIカメラで買い物客の動きを分析し、マーケティングに活かしていく取り組みも開始しています。
リテールメディアの海外活用事例
まだまだ日本での知名度は低いリテールメディアですが、アメリカではマーケターの40%が利用しているメジャーなペイドメディア。国土の広さや消費者の行動など、日本とは事情が異なるものの、これからリテールメディアを活用したいリテーラー / メーカーの参考になる事例もあるはず。
本記事では、米リテールメディア広告市場で圧倒的シェアを誇る「Amazon」のほか、トップ3を形成する「Walmart」「target」の事例を簡単に紹介します。
海外事例1 Amazon
Amazonは、商品検索結果の「スポンサー」枠をリテールメディア広告としてメーカー / ブランドに開放しています。約76%と圧倒的なシェアを誇る理由は、膨大な取扱商品とユーザー数を活用した精度の高い1st Partyデータです。
精緻なターゲティングによって届けたい人に届けたい情報を届けられることはもちろん、リスティング広告のリテール版ともいえる使いやすさもポイント。Amazon Adsから簡単に利用できる気軽さも大きなシェアを誇る理由です。
画像出典:Amazon Ads
海外事例2 Walmart
Walmartでは、自社ECサイト / アプリへのリスティング / ディスプレイ広告のほか、インストア型リテールメディア戦略も展開しています。全米に約4,700の実店舗を構えるWalmartならではの、オンライン / オフラインを駆使したリテールメディア戦略です。
たとえば、7万台以上が設置された実店舗のデジタルサイネージでの広告配信、体験型イベント、サンプリングなど。メーカー / ブランドをサポートする「Walmart Connect」も立ち上げ、本格的なリテールメディア事業を開始しています。
画像出典:Walmart Connect
海外事例3 Target
Targetは、全米で約1,800の店舗を運営する小売チェーンです。「Roundel by Target」でリテールメディア広告市場に参入する同社は、Walmartとは異なるオンライン戦略をメインにしていることが特徴。
ECサイト / アプリを活用したリスティング / ディスプレイ広告はもちろん、ケーブルテレビやYouTube広告などもサポート。SNSの活用や、インフルエンサーを起用したサービスを展開しているのも特徴です。
画像出典:Target
日本市場を意識したリテールメディアの活用が重要
国内外のリテールメディア活用事例をいくつか紹介してきましたが、日本とアメリカでは事情が大きく異なることに気が付いた方も多いはず。たとえば、アメリカではメーカーがサービスにログインし、管理画面でリテールメディアを活用するのに対し、日本ではリテーラーとメーカーの直接対話が基本です。
この違いは、上位数社で小売市場の9割近くを占めてしまうアメリカの事情、それぞれのECプラットフォームが巨大であることなどが要因として考えられます。つまり、リテールメディアの活用は魅力的ではありますが、アメリカの考えをそのまま日本に当てはめても成功は望めないでしょう。
なによりも、リテーラーにとっては「メーカー / ブランドが魅力だと感じる1st Partyデータ」を収集 / 保有するという課題があります。事例を参考にするのは重要なことですが、日本市場を意識したリテールメディアの活用を考えることの方が重要です。
【まとめ】リテールメディアの活用事例を紹介しました
新たなマーケティング手法としてリテールメディアが注目されているらしいが、実際どのように活用されているのか?事例を知りたい。そんな企業担当者の方に向け、リテールメディアの概要を解説するとともに、国内 / 海外の主なリテールメディア事例を紹介してきました。
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この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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