- 更新日 2022.10.28
- カテゴリー Shopify
Shopifyにサブスクリプション(定期購入)を導入するアプリ比較、方法を解説
Shopifyで商品・サービスの定期購入(サブスクリプション)をスタートさせたい!そう考えている方は多いです。
ユーザーをリピーターとして獲得でき、長期的な関係性が築ける定期購入を導入すれば、安定した収益が見込め、売上全体の向上も期待できるからです。しかし、Shopifyを標準のまま使っている方であれば「定期購入を設定できない」ことに気付いたかもしれません。
- Shopifyでサブスクを設定するおすすめのアプリは?
- 日本語で利用できる定期購入アプリってあるの?
- 「Bold Subscriptions」「Recharge」の中でどのアプリがおすすめ?
そんな疑問を解消するため、本記事では、Shopifyに定期購入を導入する方法や、おすすめの定期購入アプリ、特に人気のある「Bold Subscriptions」の設定方法も紹介します。
※これからShopifyの導入やECサイトのリニューアルを検討している方は、まずWeb幹事にご相談ください。あなたに最適なShopifyの制作会社を無料でご提案します。
2020年10月からShopifyはAPIでサブスクリプション利用可能
画像出典:Shopify公式
ECサイトをShopifyで構築する魅力のひとつは、世界中のパートナーが開発する「アプリ」を活用して機能を拡張できること。早い段階から定期購入(サブスクリプション)に取り組んできたShopifyユーザーなら「定期購入アプリ」をフル活用してきたはず。
Shopifyが定期購入に標準対応していなかったため、サブスクリプションを導入するには定期購入アプリを活用する以外の方法がなかったからです。
しかし、定期購入アプリには共通するひとつの弱点があります。Shopifyで設定した決済方法を引き継げず、別途、Shopifyとは異なる決済方法を設定する必要がありました。
そんな中「単発購入と定期購入を統合して管理したい」Shopifyユーザーの強いリクエストに応える形で、2020年10月から提供開始されたのが「ShopifyサブスクリプションAPI」および「商品サブスクリプションApp extension」です。
ただし、結論から言うと、この2つは英語の情報しかなく、実装に時間がかかります。後ほど定期購入のアプリをわかりやすく解説しますので、APIの導入が難しいと感じた方はアプリを参考にしてください。
定期購入を実現するShopifyサブスクリプションAPIとは?
画像出典:Shopify公式
Shopify APIとは、Shopifyを改変することなく、別のアプリ・プログラムと連携する仕組みです。10月から開始されたShopifyサブスクリプションAPIは、以下の3つのツールから構成されています(すべて英語サイト)。
・Selling Plan API:「今すぐ購入」以外の販売方法をサポートするAPI
・Subscription Contract API:定期購入契約・作成を管理するAPI
・Customer Payment Method API:顧客が手動でチェックアウトすることなく決済できるAPI
これらのAPIで作成・管理される定期購入契約を、Shopifyに表示させる「アプリ」の役割を果たすのが、同時に提供開始された「商品サブスクリプションApp extension」。
ShopifyサブスクリプションAPIとセットで導入することで、ユーザーは定期購入プランの作成や契約管理が可能に。Shopifyで設定した決済方法を変更・追加することなく、定期購入が完全に統合された環境を実現できます。
ShopifyサブスクリプションAPIを設定するには?
ShopifyサブスクリプションAPIを導入するには「サブスクリプション販売の資格基準」を満たしているかを確認したうえで、Googleフォームを使ってAPIへのアクセスをリクエストする必要があります。APIへのアクセスが許可された以降の設定手順を説明すると膨大な量になるため、以下の公式ガイドを参考にしてください。
英語サイトなのでGoogle翻訳などを使いながら設定するといいでしょう。
・https://help.shopify.com/en/manual/products/subscriptions/setup#eligibility-requirements
・https://help.shopify.com/en/manual/products/subscriptions/setup#eligibility-requirements
・販売計画の作成・グループ化:Selling Plan APIを使って作成する
・https://shopify.dev/docs/admin-api/graphql/reference/products-and-collections/sellingplan
- チェックアウト時の割引コード作成(必要な場合)
- 配送プロファイルの作成(商品の配送が必要な場合)
- Shopifyストアフロントにコードを追加
各種設定が完了したら、顧客が商品を定期購入できるよう、Selling Plan APIを使って作成した「販売プランID」を「カートに追加」ボタンに含めれば完了です。
それぞれの設定方法やコードの追加方法に関しては、詳細なドキュメントが用意されていますが、すべて英語で記述されていることが難点だといえるでしょう。
以上のように、開発者ではないShopifyユーザーであれば、サブスクリプション設定は困難かもしれません。単発購入・定期購入が統合された環境を構築したい方は、Shopify開発・カスタマイズを得意とするECサイト構築会社への相談がおすすめです。
Shopifyのサブスクリプション(定期購入)アプリ比較
Shopifyサブリクリプションアプリ比較表
|
Bold Subscriptions |
Mikawaya Subscription |
ReCharge |
日本語対応 |
あり |
あり |
なし |
特徴 |
柔軟性に優れる定期購入 |
日本製による 充実したサポート |
メール送信による督促処理機能、 |
決済画面カスタマイズ |
CSSでカスタマイズ可 |
CSSでカスタマイズ可 |
テーマ変更エンジンで自由度の高い |
分析機能 |
単体での分析、Google Analytics連携 |
単体での分析 |
単体での分析、Google Analytics連携 |
決済プロバイダ |
Shopifyペイメント |
Shopifyペイメント |
Stripe、Authorize.net、Braintree |
トランザクション手数料 (決済処理の手数料) |
1% |
1% |
1% + ¢5(Standard)1% + ¢19(Pro) |
前章で説明したように、ShopifyサブスクリプションAPIを活用した統合環境は魅力的ですが、開発・カスタマイズには費用も時間もかかります。
とにかく明日からでも定期購入(サブスクリプション)を導入したいと考える企業・店舗の方であれば、定期購入アプリを活用するのもひとつの方法です。以下からは、Shopifyの定期購入アプリといえばコレ!といわれる「Bold Subscriptions」「Mikawaya Subscription」「ReCharge」を紹介していきます。
Bold Subscriptions
https://boldcommerce.com/shopify-subscription-app
「Bold Subscriptions」は、カナダに拠点を持つBold Commerce社が開発・提供する定期購入(サブスクリプション)アプリです。
Shopifyアプリのみならず、WordPress向けECプラグイン「WooCommerce」、クラウドECサービス「BigCommerce」向けの拡張アプリなどを幅広く提供。Shopify向けとして現在提供されているのは、最新バージョン「Bold Subscriptions V2」です。
英語アプリですが、日本語表示が可能な翻訳設定が用意され使いやすいのが特徴。指定した商品から顧客が自由に選択できる「Build a Box」機能、ブログやSNSに貼り付けたBuy Buttonで決済画面にジャンプできるなど、定期購入設定の柔軟度が高いのがポイント。単体での分析機能が充実しているほか、Google AnalyticsやFacebookなどとの外部連携も可能です。
- Coreプラン:月額$49.99、トランザクション手数料1%
- Premiumプラン:月額$49.99、トランザクション手数料1%
V1では17もの決済プロバイダが選べたBoldですが、V2からは「Shopifyペイメント」のみ対応。60日間の無料トライアルも可能です。
Mikawaya Subscription
画像引用:https://apps.shopify.com/mikawaya
Mikawaya Subscriptionは、日本製のShopifyサブスクリプションのアプリです。Made in Japan ならではでサポート体制が特徴。初期設定サポートや他サブスクアプリからの移行のサポートも行い、「Shopifyでの定期便運営」に精通したECのプロによるサポートが受けられます。
初回50%OFF、2回目以降10%OFFなどの2段階割引設定機能や、サブスク2回目以降のお届け日指定がお客様自身で可能など、機能面も充実しています。
- ライトプラン:月額$0、トランザクション手数料3%
- ベーシックプラン:月額$49、トランザクション手数料1%
継続率分析機能以外はすべての機能が使えるライトプランもあるので、一度試してみたいという方も安心です。
ReCharge
https://rechargepayments.com/subscriptions-for-shopify/
「ReCharge」は、10か国に点在する230のチームからなる「フルリモートカンパニー」Recharge社が開発・提供するShopify向け定期購入(サブスクリプション)アプリです。Shopify Plusの公式アプリとして認定され、1万5,000を超えるShopifyユーザーから利用されるなど、特に欧米で高い人気を誇る定期購入アプリです。
クレジットカードの更新、請求の再試行、カード期限切れが近い顧客へのリマインドなど、メール送信による督促処理に優れているのがReChargeの特徴。英語表記のみですが、在庫予測機能をはじめとした、サブスクリプションに特化した企業ならではの機能が充実しています。
- Standardプラン:月額$60、トランザクション手数料1% + 5セント
- Proプラン:月額$300、トランザクション手数料1% + 19セント
対応する決済プロバイダが「Stripe」「Authorize.net」「Braintree」と選択肢が少ないことが不安点。Shopify Plusユーザーならトランザクション手数料が「0.8%」にディカウントされるのもポイントで、こちらも60日間の無料トライアルが可能です。
Bold Subscriptionsの導入・設定方法
どちらのアプリも高機能かつ簡単に導入できる点では共通していますが、日本国内で定期購入(サブスクリプション)をする場合、翻訳設定が可能なBold Subscriptionsがおすすめ。
Shopifyペイメントを使っている企業・店舗の方であれば、新たな決済プロバイダと契約する必要がないこともメリットです。
そこで、明日からでもShopifyで定期購入をスタートさせたいと考える方のために「Bold Subscriptions」の具体的な導入・設定方法を簡単に解説していきます。
Bold Subscriptionsインストール
最初に「Shopify app store」で「Bold Subscriptions」を検索して「アプリを追加する」をクリックします。
画像出典:CommerceMedia
アプリのインストールが完了すると、Shopifyテーマへのインストールオプション画面が表示されます。「START AUTOMATIC INSTALL」をクリックしてインストールを完了させますが、大前提として「公開中のテーマをコピーした、未公開テーマへのインストール」がおすすめ。
ShopifyテーマへBoldをインストールするプロセスで実行されるのが「Liquid(Shopifyテーマを記述するテンプレート言語)」の改変だからです。インストール中のLiquid改変で不具合が生じれば、元の環境に戻すことは困難です。
Bold Subscriptions設定
画像出典:CommerceMedia
インストールが完了したら、ダッシュボード画面から定期購入を設定します。
Payment Setting
定期購入アプリは、Shopifyで設定した決済方法を引き継げないため、個別のアプリごとに決済方法を設定する必要があります。これは、決済プロバイダがShopifyペイメントに限定されているBold Subscriptionsも同様です。すでにShopifyペイメントを使っている方であれば「Paymento Setting」から、以前と同様のプロセスでBoldと連携させましょう。
Subscription Groups
画像出典:CommerceMedia
Shopifyで定期購入してもらいたい商品の登録・設定を行います。「Subscription Groups」をクリックして表示された画面から「Create Subscription Groups」ボタンをクリックします。
画像出典:CommerceMedia
ステップ1では、目的に応じた「サブスクリプションタイプ」を選択します。用意されているのは以下の3パターン。
- Standard:指定した商品を定期購入
- Convertible:初回のみ、特定の商品を定期購入商品とともに販売
- Build a Box:複数の指定商品から顧客が好きなものを選べる
Convertibleというサブスクリプションタイプが理解しにくいかもしれませんが「定期購入契約すると、初回のみ関連商品をプレゼント」といったキャンペーンに有効。本記事では、一般的な「Standard」を選択したパターンで解説していきます。
画像出典:CommerceMedia
ステップ2では、定期購入してもらいたい商品を選択します。「Select Products」ボタンで登録済商品を呼び出し「Add」で追加。「Allow Swapping Products」にチェックを入れておけば、購入者がマイページで「定期購入の商品を変更する」ことも可能。継続購入を促す際に最適です。
画像出典:CommerceMedia
ステップ3では、お届け間隔をはじめとした定期購入の各種設定を行います。画面上に表示される設定項目は「お届け間隔を決めるか?顧客が設定できるか?」「定期購入のみか?単発購入と併売するか?」「定期購入の終了期間を設定するか?」「最低継続期間を設定するか?」の4つ。
画像出典:CommerceMedia
ステップ4では、定期購入してもらう商品の割引設定を行います。選択できるのは以下の3パターンです。
- No Discount:割引設定なし
- Offer the same discount on all oeder:注文を受けたすべての商品に同じ割引率を適用
- Offer different discount on initial and recurring orders:定期購入の期間に応じた2つの割引率を適用
3つ目のパターンは理解しにくいかもしれませんが、20%OFFの割引を3回目からは10%OFFにする、といった定期購入の使い方を想定すれば分かりやすいのではないでしょうか。
Buy Buttonの作成
Bold Subscriptionsの特徴のひとつとして、決済ベージにジャンプできる「Buy Button」を作成して、ブログやSNSなどに貼れることが挙げられます。Buy Buttonは「Subscriptions」から「Create Buy Button」を選択するだけで簡単に作成できます。
表示された画面から「Select Products」をクリックして商品を選択し、各種設定を済ませて「Generate Button Code」をクリック。生成されたURLをブログなどに貼り付ければ完了です。
定期購入(サブスクリプション)アプリの導入事例
提供開始されたばかりのShopifyサブスクリプションAPIの導入が進むのは、まだまだこれからという段階。一方の定期購入(サブスクリプション)アプリは、国内外を問わず、さまざまなShopifyユーザーから活用されています。
これから定期購入をスタートさせたい企業・店舗の方の参考になるよう、いくつかの導入事例を紹介しておきましょう。
完全食 BASE FOOD(ベースフード)
画像出典:完全食 BASE FOOD
「完全食 BASE FOOD」は、東京都目黒区に本社を構えるベースフード株式会社が運営するECサイト。「手軽なのに栄養バランスがよい完全栄養の主食」をコンセプトに、プレーン・チョコレート、メープル・シナモン、カレーを取り揃えた「BASE BREAD」や「BASE PASTA」を販売。
Shopifyで構築された同サイトでは、定期購入を導入するにあたってBold Subscriptionsを採用。栄養分の配合など、各商品の特徴をしっかりと伝えた分かりやすいレイアウトを保ち、ページ遷移することなくスムーズに注文できる工夫が施されています。
初回20%OFF、2回目以降10%OFFと、Boldの機能を有効に活用している好例です。
ALEN Air Purifier and Filters
画像出典:ALEN Corporation
テキサス州オースティンに本社を構えるアメリカ企業ですが、「ALEN Corporation」もShipify + Bold Subscriptionsの組み合わせを採用したECサイトのひとつ。「空気清浄機」「フィルター」が主力の同サイトでは、埃や塵、ペットの匂いなどの関心事、部屋のタイプで商品をソート可能。スマートなショッピング体験の提供に工夫が凝らされています。
なかでも、フィルターの販売にBoldが大活躍。単発販売、定期購入をラジオボタンで選択できるようになっており「Subscribe & Save」の表記で、お得な割引率がひと目で確認できることもポイント。ユーザー自身でお届け期間も設定できます。
【要点まとめ】Shopifyに定期購入(サブスクリプション)を導入するには
2021年2月時点での最新情報を含め、Shopifyに定期購入(サブスクリプション)を導入する方法、おすすめの定期購入アプリの紹介、人気のBold Subscriptions設定方法を解説してきました。現時点でShopifyに定期購入を導入する方法は2つ。
- ShopifyサブスクリプションAPI / 商品サブスクリプションApp extensionを利用
- 定期購入アプリを活用
Shopifyで素早く定期購入をスタートさせたいなら、定期購入アプリの活用がおすすめですが、APIならではの「完全な統合環境」は実現できません。とはいえ、Shopify APIの提供もスタートしたばかり。導入には高いハードルが待ち構えています。
- ドキュメントが英語のみに限られている
- APIの仕組みを理解したうえでの環境設定には知識が必要
ただし、Shopify APIの実装は新たな開発を必要としないのも事実。ShopifyのスペシャリストであるECサイト構築会社であれば、意外と短期間でカスタマイズしてくれるかもしれません。シンプルに統合されたチェックアウト環境で、Shopifyの運営に集中したい企業・店舗の方は、ぜひ相談無料のWeb幹事にお問い合わせください。
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岩田
Web制作会社を設立し、
3年間で上場企業を含む50社以上制作に携わらせていただきました。
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この記事を書いた人

梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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