製造業が海外Webマーケティングを行う際の全ノウハウ、公開します【事例付き】【2024年最新版】

製造業が海外Webマーケティングを行う際の全ノウハウ、公開します

内需の減少に伴い、海外販路拡大は多くの日本企業にとって避けては通れない命題です。

しかし、日本人特有のアピール下手、英語への苦手意識から海外販路拡大に二の足を踏んでいる企業や進出したが停滞してしまっている企業は少なくありません。

そこで今回、海外BtoBマーケテイングを12年に渡って行われている世界ヘボカン株式会社の徳田氏に製造業・メーカー向け海外BtoBマーケティングの秘訣を寄稿して頂きました。

  • これから海外進出を考えている
  • 海外進出に踏み出したが軌道に乗っていない
  • そもそも何から始めれば良いか分からない

という製造業のマーケティング担当の方はぜひご覧ください!

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目次
  1. 1. 著者の紹介
  2. 2. 製造業・メーカーにおける国内と海外マーケティングの違い
    1. 2-1. ①海外では貴社の認知度は国内と比べて著しく低い
    2. 2-2. ②営業リソースが限られている
  3. 3. 製造業・メーカーの海外BtoBマーケティングで重要なポイント
    1. 3-1. ①事前に現地の市場調査は行えているか
    2. 3-2. ②正しい翻訳が行われているかどうか
    3. 3-3. ③魅力を伝えるコンテンツになっているか
  4. 4. 【コラム】なぜ質の低いリードの問い合わせを減らす必要があるのか?
  5. 5. 製造業・メーカー向け海外向けBtoBマーケティングの施策マップ
    1. 5-1. ① マーケティングリサーチ、戦略策定
    2. 5-2. ②海外向けBtoBサイト構築 
    3. 5-3. ③サイト改善コンサルティング
    4. 5-4. ④ 運用型広告
    5. 5-5. ⑤ BtoBサイト向けSEO
    6. 5-6. ⑥コンテンツマーケティング 
    7. 5-7. ⑦マーケティングオートメーション 
  6. 6. 製造業・メーカーの海外Webマーケティングの成功事例
    1. 6-1. オーサカステンレス様自社の優位性を発揮できる市場の発見が成功の秘訣 
    2. 6-2. エム・キャスト株式会社様運用型広告を活用した問い合わせ獲得施策・マーケティングリサーチの実施
  7. 7. 製造業・メーカーの海外Webマーケティングまとめ

著者の紹介

こんにちは。世界へボカン株式会社の徳田です。
「日本の魅力を世界へ伝える」というミッションの元、アメリカ人、フランス人、中国人、日本人の多国籍のメンバーと共に海外WEBマーケティングソリューションを提供しています。

下町ロケットのような、素晴らしい技術や製品、ソリューションを持っているものの、まだ陽の目を見ていない日本の製造業・メーカー様の海外販路拡大の支援を長年やらせて頂いております。

今回は製造業•メーカー様が海外に販路拡大を考える際の秘訣や事例を中心にお話させて頂きます。

世界へボカンの公式ホームページはこちら

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製造業・メーカーにおける国内と海外マーケティングの違い

製造業・メーカーにおける国内と海外でのマーケティングの違いは大きく分けて下記の2点です。

①海外では貴社の認知度は国内と比べて著しく低い
②営業リソースが限られている

①海外では貴社の認知度は国内と比べて著しく低い

1つ目は、国内と比べ認知度が著しく低いところからスタートしなければならない事です。
国内で長年やってきた企業であれば、WEBサイトへの流入キーワードの大半が製品名や企業名等の指名検索がほとんど。
しかし、海外進出をはじめたばかりの時はなかなかそういったキーワードで多くの流入を獲得する事はできません。

その為、一般名詞で流入してくる企業の担当者に対し、自社と取引するべき理由を適切に提供していく必要があります。

  • 展示会や業界内のイベントを通して貴社を認知し、指名検索で訪れるユーザー
  • 課題を抱えて一般名詞で検索して流入してくるユーザー

それぞれのユーザーがスムーズに知りたい情報にたどり着けるようなホームページを設計するのが理想的です。

②営業リソースが限られている

2つ目は、営業リソースが国内と比べてかなり限られているという事です。
英語ができ、貴社の商材を営業できるほど商品知識があるメンバーは限られている事が多く、彼らのリソースをどのように最適化するかが海外BtoBマーケテイングの成否を分けます。

製造業の場合、下記の2種類に顧客は分類されます。

  • 貴社が製造している部品そのものを欲している場合
  • 貴社の製造技術を見込んで課題解決の依頼をしたい場合

前者の場合は、既にあるものの取引なので比較的商談はスムーズに行う事が可能です。
後者の場合はクライアントの課題解決を行う必要がある為、商談に時間を要します。

貴社が海外でシェアを獲得して生きたい製品(プロダクト・ソリューション)がどちらに該当しているか、どのようにWEBサイトを通して質の高いリードを営業に引き渡す事ができるかを考える必要があります。

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製造業・メーカーの海外BtoBマーケティングで重要なポイント

製造業・メーカーの海外マーケティングで重要なポイントは、大きく分けて下記の3点です。

  1. 事前に現地の市場調査は行えているか
  2. 正しい翻訳を行えているか
  3. 魅力を伝えるコンテンツになっているか

①事前に現地の市場調査は行えているか

私たちがクライアントに海外販路拡大の相談を頂く際に、まず一番最初に現地の市場をどれだけ理解しているかを伺います。

具体的にはどういった顧客像をイメージしており、どのような価値を提供しているか、どういった競合が存在し、どのような差別的優位性があり、貴社が選んで貰えるかを伺います。

こういった質問をさせて頂くと、多くの企業が市場のニーズや競合の存在をあまり把握せずに自社の販路を拡大しようとしています。
上記の質問に回答し、どういった戦略で海外販路を拡大するか明確にするためにも最低限、マーケティングフレームワークの3C分析は行うと良いでしょう。

3C分析

例えば、Googleで貴社が取り扱う製品を指す一般名詞で検索した時に、類似する製品、ソリューションを提供する上位10社の企業がどういった情報を発信しているかを見るだけでも市場のニーズや各企業の特徴を把握する事が可能です。

調査を通して明確になった戦略・市場における自社のポジションをベースにサイトや集客施策・展示会での訴求ポイントが決まります。

また、日本と海外では商習慣が異なる事もあります。
どういった商習慣でビジネスが展開されているかを事前に把握しておくことで、現地での営業がスムーズに行われます。

②正しい翻訳が行われているかどうか

製造業の場合、技術的な話の翻訳を依頼するとコストが増す為、ついつい自社内のバイリンガル人材のリソースや現地のアルバイト人材を活用し翻訳してしまうケースがあります。

また、翻訳会社に依頼したものの、自社にチェックできるメンバーがおらず、翻訳の質が担保できないケースも。

バイリンガル人材は商品知識、英語は分かるものの英文ライティングのプロではありません。

現地ネイティブスタッフも英語ネイティブではあるが、ライティングのプロではありません。

貴社の製品やソリューションがどんなに価値あるものでも、それを伝えるサイト上の英文が正しく無ければ貴社の魅力は半減してしまいます。

最低限、編集経験の豊富な英語ネイティブのいる会社にチェックやトーンマナーの編集を依頼し、客観的に違和感がないか見て貰いましょう。

③魅力を伝えるコンテンツになっているか

前述のように、貴社の認知度は国内と比べて低く、営業リソースにも限りがあります。
その為、海外向けサイトは貴社及び、貴社製品・ソリューションを海外の顧客にとって魅力的に伝え、質の高いリードを獲得するだけでなく、質の低いリードの問い合わせを防ぐサイト設計である必要があります。

日本語サイトをそのまま翻訳したサイトでは、日本の顧客に対して伝えたい情報をただ英語にしたサイトになってしまいます。

その為、ユーザーの種類に合わせて、海外の顧客に向けたサイトを構築する事が重要です。

展示会で貴社を知った顧客

海外の展示会で貴社を知り、指名検索で検索してきた企業担当者が貴社の特徴を端的に説明できるようなPDFダウンロードレポートや企業の実績のサマリーがあると良いでしょう。

海外で認知度の高い企業との取引実績や国際的な賞の受賞歴、どういった分野(医療、自動車、航空機、宇宙…)での実績があるか、国内でのシェア等、彼らが上司に貴社の魅力を説明する事を想定し、情報を提供してあげましょう。

一般名詞で流入してきた顧客

一般名詞で流入してきた顧客は何かしら課題(コスト削減、小型化、仕様変更、消音化等)を抱えて貴社サイトに訪れます。

国内のこれまでの経験をベースに彼らの課題に先回りし、課題とそれに対する解決策を紐づけるコンテンツを用意しておくことでリードを獲得し易くなります。

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【コラム】なぜ質の低いリードの問い合わせを減らす必要があるのか?

BtoBマーケティングの場合、売上=商談数×受注率×受注単価で構成されています。
どんなに商談数が多くても受注率が低ければ、営業のリソースが分散されてしまい、本来力を注ぐべき顧客に十分時間を割けずに売上・利益の最大化が難しくなってしまいます。

その為、海外からのお問合せの営業成約率の指標を20~30%とし、それよりも低ければ営業プロセスやリードを獲得しているWEBサイトを見直す必要があります。

BtoBマーケティング

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製造業・メーカー向け海外向けBtoBマーケティングの施策マップ

ここでは、製造業やメーカーのご担当者様ができる海外向けBtoBマーケティングの施策をご紹介。
参考価格として、弊社がサービス提供する場合の費用の目安も記載しました。
ぜひ参考にしてください!

① マーケティングリサーチ、戦略策定

費用の目安:30万円〜

BtoBサイトのマーケティング施策というと、まずマーケティングオートメションを想起する方は多いと思いますが、全ての施策の前にどのように海外市場でポジションを築いていくかを明確にする為のマーケティングリサーチ、戦略策定のプロセスは欠かせません。

簡易的な調査であれば社内にネイティブメンバーや調査チームがある場合は自社で実施できます。
専門的な情報については調査会社にリサーチの部分を依頼する事も視野に入れておきましょう。

②海外向けBtoBサイト構築 

費用の目安:200万円〜

  • BtoBサイトの役割は良質なリードを営業に渡す事です。
  • どのような顧客に問い合わせをしてもらいたいのか?
  • どのような顧客に問い合わせをして貰いたくないのか?
  • 問合せを獲得する前に事前に知っておいて欲しい情報は何か?
  • 課題感のある今すぐ客をどのように問い合わせに導くか?
  • 課題感はあるもののすぐに問合せをしないそのうち客との接点をどのように持つか?

等、見込み客の状態、フェーズに合わせてコンテンツ設計、導線設計をしていく必要があります。

顧客のニーズ、競合を知らなければ海外向けサイトは構築できないため、マーケティングリサーチ、戦略立案とセットで考えられると良いでしょう。
海外顧客に対するBANT条件を明確にすると、サイトコンテンツの見せ方がクリアになります。

③サイト改善コンサルティング

費用の目安:30万円〜

貴社でお持ちの英語サイト及び、アクセスデータ(Google analytics、Google広告、Search console)を拝見させて頂き、どのように現状と目標の差を埋めていくか専門のコンサルタントとネイティブスタッフの視点でコンサルティングさせて頂きます。

④ 運用型広告

新規販路拡大、既存エリアのシェアの獲得当、貴社の目的、目標に合わせた高校媒体を活用し、ネイティブによるキーワード選定及び、運用を行います。

海外向けBtoBサイトの場合は、配信国の選定及び、キーワード、訴求軸が大きく成果を分けます。

⑤ BtoBサイト向けSEO

費用の目安
内部指示書作成:50万円〜
SEOコンサルティング:20万円~/月

BtoBサイトのSEOを考える時、下記の2種類がポイントです。

  • 自社名、自社製品名、型式等の指名検索をどれだけ伸ばせるか?
  • 製造方法、課題などの一般名詞でどれだけ自社の露出を高められるか?

自社名や自社製品名の流入数を伸ばすには内部の最適化と共に展示会への参加やプレスリリースの配信等、自社の認知を広げる施策を同時に行っていく必要があります。

製造方法、課題等の一般名詞で自社の露出を高めようとする場合キーワード選定が最も重要です。
海外のBtoBサイトに打ち勝ち、検索ボリュームの多い一般名詞で上位表示させるのは困難かつ、効率が良くありません。

その為、まずは一般名詞+自社の強み(特徴)が含まれたキーフレーズの検索ニーズを調査し、確実に流入を獲得していく事を推奨いたします。

⑥コンテンツマーケティング 

費用の目安:50万円〜

貴社の目的に合わせてサイト内コンテンツ、PDFダウンロードレポート、ブログコンテンツをネイティブライターがご用意致します。
BtoBサイトの場合、専門的な内容のコンテンツをゼロから構築するだけでなく、海外営業担当者様の営業資料やセミナー内容を活用し、英語コンテンツを用意いたします。

⑦マーケティングオートメーション 

BtoBサイトの一般的な問い合わせ率は2~4%です。
つまり、残りの96~98%のユーザー(そのうち客、お悩み客)は問い合わせをせずに、離脱してしまっております。
そういったユーザーのリードを獲得する仕組みを作り、自動的に関係構築するのがマーケティングオートメーションです。

マーケティングオートメーション

貴社の目的にあったマーケティングソリューションツールの選定、リードを獲得するためのプランニング及び、営業戦略に合わせたシナリオ設計、フォローメールのプランニング・作成を行い、顧客との関係構築を自動化致します。

費用の目安:
シナリオ設計100万円〜
運用費用10万円~/月

施策については海外WEBマーケティングソリューションページもご覧ください。

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製造業・メーカーの海外Webマーケティングの成功事例

実際に弊社が、ご相談を受け担当させていただいた事例を2つご紹介します。

世界へボカンの事例を詳しく知りたい方はこちら

オーサカステンレス様
自社の優位性を発揮できる市場の発見が成功の秘訣 

オーサカステンレス_海外Webマーケティング

ご相談背景

オーサカステンレス様はニッケル合金と言われる、特殊で、過酷な環境で使われる金属を在庫して、それを海外に販売しております。
海外の販路を拡大したいがどのようにしたら良いか分からないというご相談を頂きました。

ご提案内容・成果

  • サイト改善コンサルティング
  • リスティング広告運用代行

まず、どの市場に対し、どういった価値を提供しているかをヒアリングさせて頂いたところ、欧米でも売れているがアジアでも引き合いが多いというお話を伺う事ができました。

調査を進めると欧米の顧客と比べ、東南アジアの方がオーサカステンレス様の豊富な在庫バリエーション、小ロット提供可能、短納期という強みを生かせることが分かりました。

そこで、海外向けサイトコンサルティングを行い、彼らの強みが見える化したファーストビューに改善を行いました。

また、リスティング広告の訴求内容も彼らの強みを中心に変更する事で、

  1. オーサカステンレス様が提供する価値
  2. サイト上の訴求内容
  3. 広告の訴求内容

が一致し、問い合わせ数を伸ばすだけでなく、営業成約率の向上に成功致しました。
マーケティングリサーチを行い、どの市場で戦うかを考える事で優位性を発揮する事が出来た事例です。

参考:海外向け製造業サイト英語プロモーション成功事例|株式会社オーサカステンレス様

エム・キャスト株式会社様
運用型広告を活用した問い合わせ獲得施策・マーケティングリサーチの実施

エム・キャスト_海外Webマーケティング

ご相談内容

海外からより多くのリードを獲得していきたいが、何からやれば良いか分からない。
また、サイトの特性上、制約が多いので改善する事ができないので、そのような状態でも問い合わせを増やす事が可能か?

ご提案内容

新規顧客の獲得と新規エリアのマーケティングリサーチの2種類のご相談を頂いたので、それぞれの目的に合ったプランニングを致しました。

新規顧客の獲得については、売れ筋の型番を中心としたキーワードでの広告配信をしました。

また、日本で使用されていた中古品は、同じ製品でも海外で使用されていたものと比べ、状態が良いと評判なのでその部分を強調した訴求をする事でエム・キャスト様を選ぶ理由を理解した状態でサイトに遷移して貰うようにいたしました。

マーケテイングリサーチについては、国×商材の切り口で月額で予算を決め、どの国でどういった引き合いが獲得できるかを期間を分けて見ていく事で、潜在顧客のいる新たな販路の発見に成功いたしました。

参考:海外向け医療機器販売BtoB 越境ECサイト集客成功事例|エム・キャスト株式会社様

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製造業・メーカーの海外Webマーケティングまとめ

製造業・メーカー向け海外BtoBマーケティングとひと言で言っても、新規販路拡大なのか、既存のエリアのマーケティングの強化なのか等、フェーズやターゲットエリアによってやるべきことは大きく異なります。

共通して言えるのは、市場、競合を理解し、自社がその中でどういったポジションを築いていくのかを明確にすることから海外BtoBマーケティングは始まるという事です。

また、BtoC向けビジネスと異なり、BtoBビジネスは顧客との折衝を行うので時間を要します。
その為、BANT条件をベースにどういった顧客に対してソリューションを提供していくか考える事やWEBサイト上のコンテンツを通してスクリーニングをかけて見極める必要があります。

海外とひとまとめに考えず、考えるべきポイントを細分化していき、取り組んでいきましょう。

※海外向けBtoBマーケティングを強化したいとお考えの方は、「実践海外 BtoBマーケティングガイド」もご覧ください。

海外向けBtoBマーケティング実践ガイドをダウンロードする

Q. 製造業マーケティングとは何ですか?

企業が抱える課題を明確にし、原因を特定・分析しながら、課題解決できる自社商品を提供するマーケティング戦略のことです。製造業は検討期間が長く、立場によって課題が異なります。

Q. 海外Webマーケティングを始める際の注意点は?

海外Webマーケティングを始める際の注意点として「事前に現地の市場調査は行えているか」「正しい翻訳が行われているか」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。

Q. 運用型広告の費用はどれくらいですか?

運用型広告の費用は目的・エリアによって異なります。新規顧客獲得の場合は、広告の配信やキーワード選定に200万円以上の費用が必要です。