歯科医院のホームページ制作のポイント
歯科業界では、「歯科医院の数はコンビニよりも多い」とよく言われています。
事実、2017年末の歯科医院の施設数が68,864施設であるのに対し、コンビニの数は55,322件しかありません。
参考:一般社団法人日本フランチャイズチェーン店協会|コンビニエンスストア統計データ
参考:厚生労働省|医療施設動態調査(平成29年12月末概数)
また、日本の人口は減り続けているのに加え、日本人の歯科意識が高まったことで虫歯の治療需要などの従来の歯科需要は年々減ってきています。
1年で売上1億に達する歯科医院もあれば、3,000万円前後で高止まりしてしまう医院など年々格差は広がっています。
そんな昨今の歯科医院の経営において重要性なのが、ホームページを活用したインターネットによる集患戦略です。
では、どんなホームページを制作すれば良いのでしょうか?
歯科医院のホームページで重要なポイント
医療広告ガイドラインに準拠する
歯科医院のホームページを制作する際の前提として、ホームページ内の表現はすべて医療広告ガイドラインに準拠する必要があります。
これまでの医療広告ガイドラインは医療関係者の自主的な取り組みを促すものでしたが、医療法が一部改正されたことで2018年6月からはホームページの内容も罰則の対象となりました。
医療広告ガイドラインに関して、まだ確認が済んでいない場合は、厚生労働省の「医療法における病院等の広告規制について」をご確認ください。
マーケットの変化に適した戦略を考える
歯科業界は、ここ2,30年で大きな変化がありました。
医療の発展や歯科商品の普及などによって、12歳児の一人当たりの平均虫歯本数は1989年に4.3本だったものの、2016年には0.42本ま減りました。9割弱あった虫歯の有病率も3割強にまで減少しています。。
参考:厚生労働省|う蝕罹患の現状
参考:厚生労働省|歯科医療を取り巻く状況
もちろん、12歳児だけでなく他の年代においても歯の健康状態が大幅に好転しています。
残念ながら、これは歯科業界にとっては必ずしも良いニュースではありません。
なぜなら、治療目的での歯科医院の利用が減少傾向にあることを意味するからです。
そこで重要になるのが、マーケットの変化に合わせることです。
虫歯の治療をする需要は減ったものの、増えてきた需要もあります。
予防歯科はもちろん、自己実現を目的とした歯の矯正やホワイトニング、高齢化に伴う介護歯科や在宅医療による診療需要などです。
ホームページは、ただ作れば集患できるものではありません。
競争の激しい歯科業界だからこそ、今どのような歯科が求められているのかを考え、その需要に応えられるようなホームページを作成しましょう。
デザインで患者の信頼と安心を獲得する
歯科医院にとってホームページは大事な広告ツールです。
インターネット上で医院のPRを行なって患者の信頼や安心感を獲得できれば、必然的に集患へと繋がっていきます。
では、どんなホームページが患者の信頼と安心感を獲得できるのか?
見栄えを考える前に大事にして欲しいポイントが2つあります。
- 見やすく分かりやすいこと
- 患者の求めている情報が書かれていること
いくらおしゃれで見栄えが良くても、この2点が疎かになっていては誰のためのホームページなのか分かりませんよね。
患者の立場になって、「来院したい」と思ってもらえるようなホームページにしていきましょう。
歯科業界は競合が多いからといって独自性を追求してしまうと、伝えたいことが伝わらずに来院するはずだった患者を逃すことになりかねません。
ホームページのデザインは、口コミによる集患やリピートに繋がるかどうかにも関わってくきます。
患者がホームページのリンクをSNSで共有するなどして、あなたの歯科医院が口コミで広がることもあるのです。
集患に役立てるためのコンテンツについても、後ほど解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
地域検索を重視した検索エンジン対策
インターネット検索では、位置情報に基づいた検索結果が表示されるようになっています。
例えば、「歯医者」とキーワード検索した場合、現在地に近い歯科医院が検索結果に表示されます。
また、患者が歯科医院を探す際には、「文京区 歯科」などと地域名を入れたキーワード検索をして近くの歯科医院を探す傾向があります。
これはとても重要なことです。
歯科医院のホームページを制作する際には、サイトのタイトルに「地域名」と「診療科目名」を追加するようにしましょう。
このキーワードを入れるだけで、あなたのホームページにアクセスしてくれる患者が増えます。
その他、Googleマップなどのインターネット上の地図サービスに歯科医院の情報を登録するようにしてください。
患者は地図情報を見て「近いから」という理由だけで来院することがあります。
歯科医院のホームページに載せるべきコンテンツ
診療科目と診療可能な病名や症状
「あなたの歯科医院に何ができるのか(患者のどんな悩みを解決できるのか)?」を知ってもらうためにも、診療科目や診療可能な病名や症状を伝えるようにしましょう。
できれば診療科目ごと、病名や症状ごとに専用ページを作成した方がインターネット検索からの集患効果を期待できます。
虫歯治療には虫歯治療用のページ、ホワイトニングにはホワイトニング用のページに...といった感じです。
院長や医師の紹介
ホームページ上で院長や医師の紹介があると、患者は安心して来院することができます。
「どんな医者がどんな気持ちで歯の診療をしてくれるのか?」を知ることができれば、大事な歯を任せられる相手かどうかを判断するのに役立ちますよね。
院長や医師の紹介では、白衣を着た人物写真や名前、経歴、簡単な挨拶文、医療方針といった情報を載せるのが一般的です。
電話番号・診療時間・休診日
問い合わせに必要な情報は、トップページの分かりやすい場所に配置しましょう。
電話番号や診療時間を確認するためだけにホームページにアクセスする患者もいるはずです。
もし予算に余裕があるのであれば、ホームページ上で予約を完結できるような予約システムを導入するのも効果的です。
予約システムがあると電話が苦手な方でも気軽に来院できますし、来院が2回目以降の患者にも喜ばれます。
施設・設備案内
あなたの歯科医院に訪れたことのない患者は、まだ診療所の看板も見たことがないし、どんな医院なのか全く知らない方かもしれません。
ホームページ上に歯科医院の外観や受付、診療室、機材などの写真があると、初診患者であっても来院イメージを膨らませることができます。
アクセス情報
住所だけでなく最寄りの駅やバス停から徒歩何分の場所にあるのかなど、患者目線で道のりを案内するようにしましょう。
患者が道に迷ってしまったら「あそこの歯科医院は分かりづらい場所にある」という印象が残ってしまいます。
歯科医院の中には、目印となる建物と一緒に写真付きで道順を説明していたり、分かりやすいマップ図を作成しているところもあります。
料金表
診療時の目安となる料金表があると、患者はお金の不安を抱えずに来院することができます。
歯科クリニックの診療内容は、保険診療と自由診療が混在していることが多いです。
例えば、虫歯の治療は保険診療ですが、ホワイトニングやインプラントなどは自由診療ですよね。(例外もありますが...)
医師にとっては当たり前のことですが、患者の中には「歯科に来院した経験がほとんどなく、診療知識に疎い方」もたくさんいます。
患者とのトラブルを避けるためにもホームページ上に料金に関する情報を載せましょう。
参考になる歯科医院のホームページ
一度外来したら病み付きになりそう
歯科医院の数はコンビニの数よりも多く、地域によっては競争が激しい業界です。
そんな中、よねしま歯科・矯正歯科のホームページは付加価値を提示することで差別化を計っています。
患者目線での医療方針とともに最新機器の導入、キッズビーシッターサービスなどの情報を提供していて、診療に対する拘りが見えます。
一生任せられるような安心感がある
ぎふデンタルフォレストのホームページは、年齢層高めの患者でも安心できるデザインになっています。
若い方からすると敷居が高いと感じるかもしれませんが、ターゲット層を絞った戦略が上手く練られています。
おしゃれな外観や受付の写真もあり、一度訪れてみたいと思えるような雰囲気のあるホームページです。
診療メニューのイラストが分かりやすい
新宿スワン歯科・矯正歯科のホームページは、患者に寄り添った分かりやすい作りになっています。
トップ画面には問い合わせ情報が大きく設置されているので、問い合わせに迷うことはありません。
また、診療メニューがイラストで配置されていて、何ができる歯科医院なのかを一瞬で見分けることができます。
当日診療の空き情報が可視化されている
SHINBI新宿駅前デンタルクリニックのホームページにアクセスすると、当日診療の空き状況が一目で分かるようになっています。
また、トップ画面で土曜日・祝日も営業している利点を全面的に押し出し、印象に残りやすいです。
治療費についてもホームページ上で明確に説明していたりと、サイト全体を通して安心感が伝わってきます。
歯のシルエットで歯科診療の専門性と安心感を
ペエ歯科クリニックのホームページは、歯のシルエットとイラストが特徴的なデザインをしています。
見てすぐに歯医者さんだと分かりますし、青基調で配色されているので誠実さや信頼感がありますね。
歯のイラスト表現は、部分的に取り入れている歯科医院も多く、人気の表現技法となっています。
ぜひ参考にしてみてください。
特に新規事業の立ち上げには強みがあり、社内のIT部門が不在のお客様でも心強い味方になってくださいます。