学習塾・予備校のホームページ制作のポイント
矢野経済研究所の調査によると、2016年度の教育市場全体の市場規模は2兆5,162億円、学習塾・予備校の市場規模は9,620億円となっています。
参考:教育産業市場に関する調査を実施(2017年)
市場動向としては、保護者の教育への関心の高まりや出生率の低下による子ども一人当たりの教育費の増加等によってどちらの市場規模も若干の増加傾向にあります。
しかし、ITを活用した遠隔学習の普及や少子化によって生徒全体の数が減少することは目に見えており、今後は市場規模の緩やかな縮小と生徒の獲得競争が激化することが予測されています。
そんな中、ホームページを活用したPRの重要性が高まってきています。
学習塾・予備校のホームページで必要な重要なポイント
誰のための、何を目的としたホームページなのか?
学習塾・予備校のホームページを作る際は、あなたが満足するホームページではなく、保護者やターゲット層の学生たちが満足するかの方が重要です。
よって、「保護者や学生たちが求める情報は何なのか?」といった視点からホームページを作ることが大切になってきます。
ホームページを作る目的は、学習塾・予備校の生徒を増やすことです。
より具体的に言うなら、体験学習への申し込みを増やすことが学習塾・予備校のホームページの役割になります。
こうした前提条件を忘れずにホームページの開設を始めていきましょう。
選ばれる学習塾・予備校に欠かせない要素を盛り込む
保護者や学生たちがどのような情報を求めているか把握していますか?
受験のミカタのアンケート調査によると、選ばれる学習塾・予備校の基準は以下のようになっています。
1位:合格実績
2位:自宅から近いか
3位:カリキュラムが魅力的か
4位:料金が魅力的か
5位:友人や家族からの紹介があるか
6位:講師陣が魅力的か
参考:必見!塾/予備校選びの基準は?ユーザー444人に聞いた結果を大公開!
学習塾・予備校選びで最も重視されているのは合格実績です。
これを知ると大手学習塾・予備校がなぜあんなにも合格実績をPRしているのかが分かりますね。
受講料の安さで選ぶ方もいますが、目的や志望校が明確な保護者や学生であれば、多少月謝が高くても教育費を惜しまずに支払いを行う傾向があります。
付加価値で保護者と学生たちを惹きつける
近年は、教育の選択肢が増え、教育の概念や手法が多様化してきています。
いくつもの選択肢がある中、学生たちがあなたの学習塾・予備校に通うべき理由は何なのでしょうか?
例えば、進学校への進学率、授業のない時間に自習室を使える、動画の学習教材が用意されている、季節ごとに勉強合宿やレクリエーションを開催している、英語教育に力を入れている、プログラミング学習を取り入れているなど...。
保護者や学生が学習塾・予備校を検討する場合、周辺地域には他にいくつもの学習施設が存在しています。
保護者や学生たちの関心を得られるような付加価値を提示することで、体験学習などの問い合わせに繋がりやすくなります。
パソコンよりもスマホ対応を意識する
総務省の調査によると、最近ではパソコンよりもスマホでインターネット検索を利用する人が多いことが分かりました。
若い世代では「スマホは毎日使うけど、パソコンはほとんど使わない」という人もかなりの数存在しています。
特に、決裁権を持つ母方の保護者はスマホ利用の割合が高く、学習塾・予備校のホームページはスマホで見られることを考えて制作を依頼するのが賢明です。
また、ホームページは保護者だけでなくお子さんも見て体験学習に申し込むかを決定します。
保護者向けのコンテンツだけではなく、お子さんに見られても問題ない内容を掲載するようにしましょう。
学習塾・予備校のホームページに載せるべきコンテンツ
進学実績
保護者が学習塾・予備校に求めることは、子どもの学力アップさせ、より良い学校に進学させることです。
進学実績は、入会の動機付けに最も強力な要素であるので、進学実績に強みのある学習塾・予備校であれば、その点を大きくPRしていきましょう。
カリキュラム・学習スケジュール
カリキュラムや学習スケジュールについても掲載するようにしてください。
どのようなカリキュラムで授業が進行するのかを伝えると、保護者や学生たちは入会後のイメージを膨らませることができ、安心して通うことができます。
個別指導の場合であっても、複数の事例を挙げて説明すれば保護者からの信頼を得られます。
他の習い事をしている生徒にとっては、学習の曜日や時間帯も重要な要素になってきます。
教育方針
教育方針は学習塾・予備校によって全然違います。
スパルタで詰め込み教育をする、自主性に任せて自習メインの学習塾・予備校もあります。
あなたの学習塾・予備校はどんな考えで運営されていますか?
教育方針を掲載することで、教育方針に共感してくれる保護者や生徒が入会してくれる確率が高くなります。
理解のある保護者や学生が入会してくれることは、指導側にとっても嬉しいですよね。
料金体系
料金が安ければ選ばれるというわけではありません。
しかし、料金体系が掲載されていないホームページは、保護者を不安にさせてしまい、検討外となる可能性があります。
よって、料金体系は必ず掲載した方が良いです。
学年ごとや学習スケジュールによって料金は複雑になる場合は、表を活用すると分かりやすい料金表が出来上がります。
月謝だけではなく、その他に必要な教材費や施設の維持費用なども明記しておくと、保護者は安心して子どもを体験入会に送り出せます。
講師陣の紹介
講師の顔写真の簡単なプロフィールを紹介しましょう。
笑顔の写真や学歴、教育に対する意気込みといった情報が載っていると印象が良くなります。
可能であれば、自己紹介用の動画を撮影してホームページに埋め込むと、見た人の記憶に残りやすくなります。
動画の活用は、個人経営の学習塾・予備校でもできます。ぜひ取り入れてみてください。
問い合わせ情報
あなたの学習塾・予備校に興味を持ってくれた人が気軽に問い合わせできるように、トップページの目立つ場所に問い合わせ情報を設置しましょう。
電話番号やメールアドレスだけでなく、体験学習や資料請求の申し込みボタンがあると行動に起こしてもらいやすくなります。
学習風景・施設案内
さまざまな写真を用いてあなたの学習塾・予備校の魅力を伝えていきましょう。
外観や受付、教室、自習室、授業風景、合宿風景など...写真があると入塾した後の学習イメージがつきます。
施設の雰囲気に魅力を感じてもらえたならば、体験授業に来てもらいやすくなります。
よくある質問
入塾の前に保護者と話をしていると、さまざまな質問を受けますよね。
その情報は、ホームページに訪れた保護者方も気になっている情報である可能性が高いです。
もしかすると、ホームページに訪れたものの、疑問を抱えたため問い合わせを断念した保護者もいるかもしれません。
よくある質問コーナーを作成して、保護者の不安を一つ一つ解決していけば、入塾への期待値は上がっていきます。
参考になる学習塾・予備校のホームページ
ストレスフリーな設計で分かりやすい
栄光ゼミナールは、全国展開している国内有数の学習塾です。
そのホームページは、無駄な情報を削ぎ落としてシンプルで見やすく設計されています。
トップページに訪れると、「ジュニア」から「大学受験」向けのメニューがあり、全く迷わずに目的のページに訪れることができます。
圧倒的な東大進学実績で人気の予備校に
東進ハイスクールは、いわずと知れた進学予備校です。
執筆時がちょうど受験シーズンの終わりだったので、トップページには「東大現役合格速報796名(中間速報)」と大きく掲載されていました。
こうした数字を維持できる限り、東進ハイスクールの人気は衰えなさそうですね。
保護者が求めるコンテンツを丁寧に設置
登竜会は、東大進学に特化した個別指導塾です。
ターゲットが明確であるのはもちろん、コンテンツも洗練されていて、保護者の疑問を余すところなく解決してくれる仕様となっています。
電話だけでなくLINEやチャットでも問い合わせできる仕組みも整え、返金保証や無料体験授業といった問い合わせを促すための特典も用意しているのでとても参考になるホームページです。
優れたキャッチコピーで保護者の心をワシ掴み
高木塾のホームページにアクセスすると、いきなり「徹底した独自の方法論で、小学4年生までに高校3年までの算数・数学を学び、超難関大学合格を!」とキャッチーなコピーが出てきます。
この時点で英才教育がしたい保護者は興味津々になるはず。
もはや他のコンテンツがなくても問い合わせがきそうですが、教育方針や指導カリキュラム、料金表、学習スケジュールといった情報もきちんと掲載されていて分かりやすいホームページにもなっています。
基本に忠実なデザイン×構成
個別指導Wamは、全国展開している完全個別カリキュラムの学習塾・進学塾です。
他よりも特別に秀でたホームページではないものの、ベーシックなデザインや構成となっていて参考とするのに適しています。
どのようなコンテンツを掲載すれば良いのかなど悩んでいる方は、個別指導Wamのホームページを参考にしてみてください。
因みに、参考になりそうなホームページを多数調べたのですが、入塾効果の高そうなホームページは進学実績や成績アップを売りにしたものばかりでした。
やはり学習塾・予備校に求められているのは、より良い進学先への切符を手に入れることなのだと考えられます。