プロが教える「リスティング広告に使える3C分析」とは?やり方から事例まで全部解説【2024年最新版】

プロが教える「リスティング広告に使える3C分析」とは?やり方から事例まで全部解説

「3C分析って聞いたことあるけどやり方は?」
「3C分析ってリスティング広告にも応用できるの?」

聞いたことはあっても実際にビジネスで使ったことがない人も多い、3C分析。

クライアントに提出する営業の提案や自社の経営戦略の立案などに使われることが多いフレームワークのひとつですが、実はリスティング広告の運用においても3C分析を応用できます。

今回の記事では、3C分析の定義から、3つの要素をそれぞれわかりやすく解説しながら、具体的にどのようなステップを踏みながら行うのか、分析方法までをお伝えしていきます。

後半では、BtoCとBtoBの事例を紹介しているので、ぜひ自社のリスティング広告運用にも役立ててください。

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目次
  1. 1. そもそも3C分析とは?
    1. 1-1. Customer(市場・顧客)を把握する
    2. 1-2. Cumpetitor(競合)を把握する
    3. 1-3. Company(自社)を把握する
  2. 2. 誰でもできる3C分析のやり方
    1. 2-1. STEP1:まず「仮説」を立てる 
    2. 2-2. STEP2:仮説と事実情報を「照合」する
    3. 2-3. STEP3:参考になる照合結果を抽出し、「解釈」に落とし込む
  3. 3. 実際に3C分析をやってみた事例をご紹介!
    1. 3-1. 福岡県のシロアリ駆除会社【BtoC】
    2. 3-2. 金属加工会社【BtoB】
  4. 4. 3C分析のコツ
    1. 4-1. 仮説を立てる前にデータを見ない
    2. 4-2. 3つ情報が偏らないようにする
    3. 4-3. SWOT分析で解釈の精度を高める
  5. 5. まとめ
    1. 5-1. リスティング広告会社選びが不安な方へ

そもそも3C分析とは?

3C分析とは、経営コンサルタントの大前研一氏が開発した、企業の商品・サービスの販売活動におけるポジショニングの把握に用いられる経営戦略のフレームワークです。以下3つの英語の頭文字をとり、3C分析と呼ばれます。

3C分析とは

3C分析の目的を一言で表すなら、ポジショニングの理解です。

市場・顧客(Customer)の現状や競合(Competitor)の動向などをふまえ、自社(Company)のポジショニングの理解を促し、販売活動における情報整理に役立ちます。

オフラインビジネスの経営戦略だけでなく、今日ではWEBマーケティングなどのオンラインビジネスにおいてもスタンダードな分析手法として活用され、リスティング広告運用においても3C分析は有用です。

では、3C分析を「的と矢」に置き換えて理解を深めましょう。

的と矢で解説

「市場・顧客:的」に対して、
「競合:他の矢」の数や動向をふまえたうえで、
「自社:自分の矢」の動きを検討する。

というイメージです。

全体像をふまえたうえで、次に3Cの各要素について見ていきましょう。

Customer(市場・顧客)を把握する

Customerについては、市場・顧客と2つの要素を含んで説明されることが多いのですが、ややこしいのでざっくりと「ニーズ」と理解していただいてもOKです。先ほどの図では的になる要素であり、市場と顧客で次のような観点で情報を整理していきます。

市場

顧客

・これから伸長する市場か?

・既に飽和している市場か?

・どんなことを期待しているか

・どんな不満を抱えているか?

Cumpetitor(競合)を把握する

孫子の兵法に出てくる有名な一節に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があるように、自社の矢を射る前には、競合の矢の理解が欠かせません。自社を含めて競合情報を抽出して図にするといいでしょう。のちほど、参考例をお伝えします。

Company(自社)を把握する

的と矢の話でいくと、今の自社の矢を把握するイメージです。自社の商品やサービスについて改めて理解し、打ち手を検討していきます。

【主な自社情報】
1.自社商品・サービスの強み
2.自社商品・サービスの弱み
3.競合優位性

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誰でもできる3C分析のやり方

3C分析は、3つのSTEPを押さえれば誰にでもカンタンに実践できます。リスティング広告に応用する前提で、3C分析を構成する3要素について、それぞれ仮説を立てていきましょう。

STEP1:まず「仮説」を立てる 

市場・顧客、競合、自社について仮説を立ててみてください。仮説構築の作業を通じて、市場・顧客、競合、自社の理解度も露わになり、3C分析後に方向性のズレのチェックにも役立ちます。

仮説対象

仮説

市場・顧客(Customer)

・狙うキーワードの月間の検索ボリューム数はどれくらいか

・検索ボリュームが増加するハイシーズンはあるか

・顧客は何に期待し、何を不満に思っているか

競合(Competitor)

・想定する競合はどこか

自社(Company)

・自社の商品やサービスの強みはどこか

STEP2:仮説と事実情報を「照合」する

STEP1で立てた仮説が正しいかどうかを、3つの要素に分けて照合します。

市場・顧客を照合する

▼統計データ参考ツール ※リスティング広告においてはコレでOK
Googleが提供しているツールも非常に役立ちます。自然検索ボリューム数の推移をチェックすることで、市場の伸び方を予測したり、急激に検索ニーズが増えているキーワードを見つけたりすることができます。

特に、リスティング広告運用においては、キーワードプランナーの活用が欠かせません。

Googleトレンド
Googleキーワードプランナー

なお、顧客の情報収集源としては、口コミサイトもしくはアンケートが参考になります。

リスティング広告以外で市場・顧客動向を調べる場合 もし、あなたが勤める会社が複数の事業を行っている場合には、各事業の市場に関する統計データを仮説と照らし合わせていきましょう。
▼統計データ参考サイト
インターネット白書ARCHIVES
総務省統計局
RESAS(リーサス)-地域経済分析システム
市場規模トレンド

競合を照合する

一般的な競合調査においては、各競合企業のシェア率や業界ポジションをチェックしていきますが、リスティング広告運用においては、競合のサイトのコンテンツやリスティング広告の広告内容についてチェックしましょう。

【主な競合情報】
1.競合の広告文
同じキーワードを購入している場合にはあなたの会社の広告文の上下に表示されるので、内容を確認して負けない訴求を考える必要があります。

関連記事:リスティング広告の広告文の作り方完全ガイド!文字数や注意点を初心者向けに解説!

2.競合サイトのタイトル・メタディスクリプション
TOP10に上位表示されている競合サイトは、あなたの会社の広告文と同時に表示されるため、リスティング広告の競合といえます。検索順位が高い競合サイトのタイトルとメタディスクリプションは必ずチェックしてください。

3.競合サイトのコンテンツ
リスティング広告をクリックして遷移するLPは、広告文の受け皿です。広告文の訴求内容がLPにどのように反映されているか?を参考にし、自社LPの見直しに活用してみましょう。

自社を照合する

自社の照合は、市場・顧客および競合の照合ができた時点で実は完了します。先述したとおり、的に対して他の矢の状況を確認し、どのような矢を射るのかを検討します。勝機があれば続行し、勝機が見出せなければ別の強みを訴求するのが得策です。

STEP3:参考になる照合結果を抽出し、「解釈」に落とし込む

STEP2の照合を行うと、参考になる照合結果と参考にならない照合結果に分かれます。参考になる照合結果のみを「解釈」に落とし込み、自社の攻め方の方向性を定めていきます。

照合結果

解釈の判断

参考になる

解釈し、自社の攻め方に採り入れる

参考にならない

解釈せず、自社の攻め方に採り入れない

仮にこの時点で、自社の攻め方を修正するコストがなく、ビジネスの勝機が見えない場合には潔く撤退するという選択も正しいでしょう。

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実際に3C分析をやってみた事例をご紹介!

ここから、リスティング広告運用における3C分析の事例をご紹介します。

福岡県のシロアリ駆除会社【BtoC】

STEP1:まず「仮説」を立てる 

対象

仮説

市場・顧客(Customer)

・『シロアリ駆除』の月間検索ボリュームは6,000件程度

・検索ボリュームは5~6月が多い

・福岡県の検索ニーズが高い

・短期間の工事で完全に駆除してほしい

競合(Competitor)

・お客様が以前に利用していたことが多いA社

・同じ商圏となる同市内のB社

・創業100年を迎える全国展開の老舗のC社

自社(Company)

・再発防止率に自信があるので訴求したい

STEP2:仮説と事実情報を「照合」する

【照合】市場・顧客

●Googleキーワードプランナーで照合すると、
・過去の指標の月間検索ボリュームをみると、12,100件
・検索ボリュームは5~6月に多い

●Googleトレンドで照合すると、
・長崎県・鹿児島県・福岡県の検索ニーズが高い

●アンケート結果およびGoogleマイビジネスの口コミによると、
・短工期よりもシロアリの再発防止率の高さを評価されている

【照合】競合

●競合の広告文と照合すると、
・A社は広告文の内容が脅威ではない
・B社は、狙いたいキーワードで広告が表示される
・C社はリスティング広告を配信していなかった

【照合】自社

●A、B、C社のホームページで照合すると、
・再発防止率が掲載していないところもあるが、自社がもっとも高い

 

シロアリの再発防止率

A社

88%

B社

93%

C社

未記載

自社

94%

STEP3:参考になる照合結果を抽出し、「解釈」に落とし込む

参考になる照合結果

解釈

検索ボリュームは5~6月が多い

5~6月に大きく広告予算を投下

長崎県・鹿児島県・福岡県の検索ニーズが高い

福岡県と長崎県を中心に対応してきたが
鹿児島県も含めて配信地域に設定する

シロアリの再発防止率の高を評価されている

広告文に再発防止率さ(94%)の訴求を入れる

B社は、狙いたいキーワードで広告が表示される

B社の広告文をふまえた、自社の広告文作成が必要

関連記事:リスティング広告の広告文の作り方完全ガイド!文字数や注意点を初心者向けに解説!

金属加工会社【BtoB】

STEP1:まず「仮説」を立てる 

対象

仮説

市場・顧客(Customer)

・『金属加工』の月間検索ボリュームは1,000件程度

・検索ボリュームは通年で変わらない

・さまざまな加工に対応してほしい

競合(Competitor)

・さまざまな加工ができるA社

・曲げ加工に強いB社

自社(Company)

・タングステン加工に強いので訴求したい

STEP2:仮説と事実情報を「照合」する

【照合】市場・顧客

●Googleキーワードプランナーで照合すると、
・「『金属加工』の月間検索ボリュームは5,400件」
・検索ボリュームは通年で変わらない
・加工のなかでは、へら絞り加工・タングステン加工の検索ボリュームが大きい

【照合】競合

●競合の広告文と照合すると、
・A社はへら絞り加工が得意でリスティング広告を配信している
・B社は、狙いたいキーワードで広告が表示される

【自社の仮説】

●A社、B社のホームページで照合すると、
・タングステン加工に対応しているのはA社のみ

 

タングステン加工対応

タングステンの広告文

A社

対応

未配信

B社

非対応

未配信

自社

対応

未配信

STEP3:参考になる照合結果を抽出し、「解釈」に落とし込む

参考になる照合結果

解釈

A社はタングステン加工に対応しているが
広告文を
配信していないため
タングステン加工の訴求は勝機あり

タングステン加工の広告文を配信していく

加工のなかでは、へら絞り加工・タングステン加工の

検索ボリュームが大きい

へら絞り加工については現状請けていないが、

体制の整備を検討していく

検索ボリュームは通年で変わらない

リスティングの広告予算は通年で一律に設定する

B社は、狙いたいキーワードで広告が表示される

広告で狙っていくキーワードが同じB社の広告文

を参考にして広告文を作成する

A社はへら絞り加工が得意でリスティング広告を配信

している

広告文には「へら絞り加工」の訴求は入れない

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3C分析のコツ

3C分析に着手する前に知っておきたいコツを紹介します。

仮説を立てる前にデータを見ない

STEP1の仮説の際には、統計データや具体的な実績などの数字を確認しないでください。STEP2の照合で初めて知る情報を先に確認してしまうと仮説を立てる能力や感覚が養われません。

リスティング広告の運用者としてスキルアップしていきたいなら、間違ってもいいので、自分の頭で考えて仮説を立てていきましょう。

3つ情報が偏らないようにする

3Cの要素に分類して情報を整理することで現状を把握し、リスティング広告運用における自社の攻め方を見出せます。慣れないうちは難しい部分もあると思いますが、3つそれぞれの要素を書き出すことで解釈の精度が高まるので情報が偏らないように意識してみてください。

SWOT分析で解釈の精度を高める

3C分析のメリットは、「現状の把握」です。現状を把握したうえで、解決策を検討していきたい場合には3C分析で得た情報をもとにSWOT分析を行いましょう。3C分析と同様に、英単語の頭文字からSWOT分析を名づけられています。

3C分析の情報を整理したいときに重宝するので、以下を参考に自社のリスティング広告運用の戦略を考えてみてください。SWOT分析のフレームワークに当てはめると、解釈がしやすくなります。

金属加工会社の例)

強み(Strength)


・タングステン加工が得意

弱み(Weakness)


・へら絞り加工ができない

・曲げ加工の技術力がない

機会(Opportunity)


・さまざまな加工に対応してほしい

脅威(Threat)


・A社がタングステン加工の広告文で運用を始める可能性がある

・B社がタングステン加工に対応できるように
   体制を整備する可能性がある

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まとめ

3C分析は一度使えば、次回からすぐに使える簡単なフレームワークです。分析例をもとに、市場・顧客、競合の情報を抽出し、最後に自社の打ち手を検討して、リスティング広告運用に役立ててもらえたら幸いです。

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Q. 3C分析とは何ですか?

3C分析とは「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の観点から市場分析を行うことを指します。購買する意志や能力のある潜在顧客を把握するのが目的です。

Q. 3C分析のコツは?

3C分析のコツとして「仮説を立てる前にデータを見ない」「情報が偏らないようにする」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。

Q. 3C分析をリスティング広告に応用できますか?

はい、3C分析はリスティング広告運用にも応用可能です。市場・顧客・競合の情報収集や、広告戦略の立案にも役立ちます。