- 更新日 2023.02.27
- カテゴリー ホームページ制作の見積もり・発注
RFP(提案依頼書)とは?ホームページの発注で失敗しないための必須ツール
ホームページ発注のコンペあるあるトップ3
- 要件が曖昧でふわっと伝えてしまったため、見積もり金額も提案内容もバラバラ
- 提案を聞いたが結局感覚で制作会社を選んでしまい、上手くいくか不安。。。
- え、こんなに高いの!?事前に調べていた相場より全然高い。。。
ホームページ制作の発注で失敗している方の原因の多くに「制作会社に、適切に要件を伝えられていない」というものがあります。
もちろん「クライアントのニーズをしっかり聞き出す」というのは制作会社の腕の見せ所です。
しかし、両者が歩み寄ることで、より成果の出る良いプロジェクトを生み出せるのも事実。
本記事では、要件を制作会社にしっかり伝えるための必須アイテム「RFP(提案依頼書)」について解説します。
面倒くさがり・ケチな人ほどRFPはおすすめです。(理由は後述します)
・制作会社から提案がバラバラで判断できず困ったことがある
・初めて制作会社に発注するので、事前にできるだけ準備しておきたい
・社内の関係者も多いので、しっかり取りまとめしておきたい
という方は、是非ご覧ください。
RFPの作り方を知りたい方へ
RFPの作り方を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。実際のRFPのサンプルを使って解説しております!
【事例&サンプル付き】ホームページ制作のRFP(提案依頼書)の書き方完全マニュアル
RFP(提案依頼書)とは?作成するのって大変なの?
RFPとは、「Request For Proposal」の略。
ちょっと分かりにくいですが、日本語にすると「提案依頼書」となります。
まだ堅苦しくて、分かりにくいですが、こちらの例はどうでしょうか?
部下や同僚に「今度の飲み会の場所選んどいて〜、部長タバコ吸うから喫煙できる居酒屋ね〜」
とお店探しをお願いする場面。誰しも経験があると思います。これも十分な「提案依頼」です。
ホームページ制作においても
「企業サイトをリニューアルして、お客様からどんどん問い合わせ来るようにしたいんだけど、どういう風にリニューアルすれば良いのか教えてくれない?」
というのを、あの手この手で資料にして、制作会社により良い提案をしてもらうためのものが「RFP(提案依頼書)」になります。
RFPの構成
この提案依頼書に色々な「要望」や「現状の課題」を入れていくことによって資料になります。
・予算は300万円以下に抑えたい
・3月末までにリリースしたい
・デザインはこういう風にして欲しい
といった要望に
・現状は、アクセス数が足りません。。。
・ホームページを管理する担当者が不在の状態です。。。
という課題を加えて
「今、〇〇で困ってるんですけど、△△したいから、ナイスなアイデアないですか?」
という構成の資料が提案依頼書になります。
プロジェクトの内容によりますが、100~300万円程度のホームページのプロジェクトなら1日〜2日もあれば作成が可能かと思います。
(毎日1時間ずつなど、少しずつ作っても1週間ほどで作成可能です)
※予算に限らず、HPの規模・構成によって変動します。目安としてお考えください。
どんなプロジェクトがRFP作成に向いている?
基本的には、全てのプロジェクトでRFPを作成する意味はあると思いますが
- 関係者が多い
- ホームページの構造が複雑・ページ数が多い
- 予算が大きい・期間が長い
などプロジェクトが大きくなればなるほど、RFPは効果を発揮します。
逆に下記のような場合は作成しなくても大丈夫です。
- HPの予算は10万円〜20万円
- 最低限の情報が掲載されていればとりあえずOK
- ホームページで集客や採用など考えていない
ここまでのまとめ
RFPとは・・・
ホームページ制作にあたっての「要望」と「現状の課題」を
1つの資料にまとめて
制作会社から良質な提案を引き出すためのもの
以降、RFPを作るとどんな効果が得られるのか。をご説明していきます。
RFP(提案依頼書)を作成する5つのメリット
ここではRFPを作成する具体的なメリットを見ていきます。
当然ですがRFPは「プロジェクトの質を高めるために作成する」ものです。
どのようにプロジェクトの質が高まるかをご説明します。
「お金を払う発注側がなぜ、いちいちそんな資料を作らないといけないんだ!」
と思われるかもしれません。
しかし、この「一手間」が後々の進行が楽になったり、見積もりが安くなったりするケースがあります。面倒くさがり・ケチな人ほど、実はRFPはオススメです。
ホームページ制作会社からの提案の質が上がる
冒頭の飲み会の例を挙げると、部下や同僚にお願いする時に
- 今度の飲み会のお店選んで〜
- 今度の飲み会のお店選んで〜部長(喫煙者)が来るので喫煙可能なお店で、和食。それから予算は一人7,000円以内に抑えてね!
とお願いするのとでは、もちろん後者の方が、より優良な飲食店のリスト(提案)が上がって来るかと思います。
ホームページ制作の現場も全く同様。
プロジェクトの目的・予算・納期はもちろんのこと、
- ホームページのページ数(おおまかな全体像)
- 写真や文章はどちらが用意するのか
- デザインのイメージ
など具体的になって入ればいるほど、制作会社からの提案の質は高まります。
記載すべき、具体的な項目については後述しますのでぜひご覧ください。
発注後のトラブルを未然に防ぐことができる
ホームページ制作において、しばしば起こるのが「言った言わない論争」。
デザインの完成イメージやシステム要件、スケジュールなど曖昧にしておくと発注後にトラブルになる可能性があります。
当然どちらも発注前の記憶は曖昧。文章として残っていないと、どちらが間違っているのかすら分からない。ということになりかねません。
RFPがあれば、100%とまでは行きませんが、多くのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
特に予算やスケジュールなど重要な部分に関してはRFPに記載されていることが多いため、効果が期待できます。
ホームページ制作会社からの見積もりが安くなることも
詳細は
見積もりが安くなる!?絶対に行うべきホームページ制作発注の事前準備9点セット
こちらの記事にて言及していますが、制作会社はクライアントからの要件がアバウトであればあるほど、「見積もり金額を高めに設定する」のが常套手段です。
逆に「このクライアントはやり取りがスムーズそうだ!」と思ってもらうことで見積もりが安くなる可能性があります。
- しっかり準備してくれてる担当者だから、プロジェクトが円滑に進みそう
- デザインのイメージが明確なので、やり取りの回数が少なく済みそう
- 作成したいページが決まっているので、サイト設計のコストが少なく済みそう
これらの項目はRFPに記載することが多いものです。
その結果「ディレクション費用」や「制作進行費」といった項目が安くなる可能性が。
さらに、デザイン費用や開発費用などの「制作に関する費用」も修正の可能性が低くなるためカットできる可能性があります。
発注先を決める際に、判断の評価基準になる
制作会社からの提案を終えて、いざ発注先を決める時にRFPは判断の基準になります。
担当者の好みや主観で提案を決めてしまうのではなく「制作会社からの提案が、いかにRFPに即したものになっているか」によって選定が可能になります。
特に選定をする関係者が複数いる場合、より効果を発揮します。
好みで判断してしまうと紛糾することが多いからです。
RFPに制作会社の判断基準を記載してしまうのもGoodです。
社内の取りまとめが楽になる
ホームページ制作は、社内の色々な人が関与するもの。
「経営陣からはこんな要望が」「システム部署からはこんな要望が」「営業部からは〜」
など、全ての関係者の要望を口頭で済ませていると、社内だけで炎上してしまうということも。
社内の取りまとめに非常に時間がかかり、プロジェクト全体が遅延してしまうケースも珍しくありません。
関係者が多い場合はRFPに要望を集約し、プロジェクトの要件を明確にしておくことが重要です。
※社内でうまくホームページ制作のプロジェクトを進めたい方はこちらをお読みください。
社内でホームページの必要性・意義を理解してもらうためのポイント3つ【負けなしプレゼンのコツ】
RFP作成のメリット・デメリットの比較
RFPを作成するメリットを下記の表にまとめました。
|
RFPを作成「しない」場合 |
RFPを作成「した」場合 |
提案の質 |
要件が曖昧なため |
要件が明確なため |
発注後のトラブル |
口頭での合意形成になるため |
文書化されているため |
見積もり金額 |
やり取りがかさむと判断されると |
ディレクション費用や制作進行費 |
評価基準 |
目的が明確でないため判断がブレる |
RFPに沿った評価・判断が可能 |
社内の合意 |
関係者が多いと社内で炎上することも |
RFPに要望を集約 |
冒頭の飲み会の例と違って、ホームページ制作は大きな金額が動く重要なプロジェクトです。
RFP作成するのは面倒ですが、失敗するリスクと比べると、是非作成するべきと考えます。
RFP(提案依頼書)に記載すべき項目
RFPには「必ずこの項目を記載しなさい!」といった決まりはありません。
少しでも制作会社の提案の質が上がりそうな材料は、どんどん載せるべきです。
下記では一般的に記載される内容をご紹介します。
実際のRFPのサンプルを確認!
こちらの記事でサンプルを使いながら、書き方をご説明しています。
【事例&サンプル付き】ホームページ制作のRFP(提案依頼書)の書き方完全マニュアル
プロジェクトの概要
- プロジェクト名
- プロジェクトの目的
- 現状の課題・制作背景
- 希望納期
- 希望予算
など、まずはプロジェクトの骨子をまとめます。ここに「課題」が盛り込まれます。
ポイントはできるだけ端的に・わかりやすくです。
例えば希望納期を
「できれば年内にリリースできると良い」みたいな記述の仕方ではなく
「2018年12月15日にサイト公開」と記載する方が良いです。
ホームページの機能要件・要望
- 制作するページ数
- サイトにつけたい機能:投稿機能・ログイン機能など
- デザインの要望:参考サイトを挙げるとGood
- コンテンツの要望(文書や画像はどちらが用意するか等)
など、ホームページにつけたい機能や作成したいページなどを具体的に記載します。
提案して欲しい内容
- スケジュール
- 見積もり金額
- ホームページの目標
- ホームページのターゲット
- サイトマップ案
- 制作会社の体制図
など、制作会社に提案して欲しい内容を記載します。サイトの目的に沿って、内容が変わりやすい箇所です。知りたいことや質問なども、ここに入れてしまいましょう。
提案について
- 提案の期限
- 提案提出先
- プレゼンの日程
など、提案に関する進め方を記載します。
提案は、発注先の選定までに制作会社とあって話ができる貴重な機会。
できれば提案書の提出だけでなく、プレゼンまでしてもらうのが良いでしょう。
RFP(提案依頼書)とは まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事のポイントは
- RFPは制作会社から良質な提案を引き出すためのもの
- 100~300万円程度のホームページのプロジェクトなら1週間〜10日くらいで作成できる
- RFPを作成すると制作会社への発注における失敗リスクを下げることができる
ということでした。
しっかり作成すれば、制作会社の発注において非常に強力なツールになります。
是非、RFPを作成して、「失敗しない」発注を行いましょう!
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この記事を書いた人

岩田 真
専門分野: ホームページ制作,ディレクション,Webマーケティング
株式会社ユーティル代表取締役。2015年にWeb制作会社として株式会社ユーティルを設立。Webディレクター・営業担当として、3年で上場企業を含む50社以上のホームページ制作に従事。経験・スキルがゼロの状態からホームページ制作事業を始めたので初心者の方に分かりやすく、業界の知識をお伝えできます!
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