【保存版】令和時代の最新SEO対策は〇〇にあり~SEOのためにSEOをやるのはもはや時代遅れ~(後編)

令和時代の最新SEO戦略(後編)

時代は平成から令和へ。平成から令和のSEOの歴史を振り返り、これからの時代の最新のSEO対策について考えてみようと立ち上げた本企画。今回はインタビュー後編です。

前編に続き、サイバーエージェント SEOラボ 研究室長 京都大学経済学研究科 研究員の木村賢氏にお話を伺いました。

後編では、最新のSEOの傾向を踏まえ、どのようにすればメディアを強くすることができるのか? その本質と具体的な手法について触れていきます。

  • 最新のSEOの内部対策・外部対策とは
  • メディアを成長・復活させる粘り強さとは?
  • SEOや検索エンジンがない世界を想像することが今後のSEOのキモ?

など。後編もSEOマーケター垂涎の内容です。ぜひお楽しみくださいませ。

※前編がまだの方はこちらから【保存版】令和時代の最新SEO対策は〇〇にあり~SEOのためにSEOをやるのはもはや時代遅れ~(前編)

目次
  1. 1. 最新のSEOの内部対策・外部対策
  2. 2. 粘り強さがメディアを強くする
  3. 3. SEOや検索エンジンがない世界を想像せよ
  4. 4. 令和時代の最新SEO対策 まとめ

最新のSEOの内部対策・外部対策

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岩田:最近のSEOの内部対策の重要性について教えていただけますか?

木村:まず、内部対策はサイトの規模によって変わってきます。ECサイトなどの大規模なサイトだと「クロール&インデックス」がとても重要です。たとえばアメブロのSEOは、コンテンツコントロールができないので、ほぼそこしかやっていないといえます。また「レンダリング対応」などもサイトによってはやはり重要です。

ただし「クロール&インデックス」の話は、インデックス数が1万を超えるような、世の中の2〜3%程度の大きなWebサイトの話です。

もちろん、インデックス数がそこまでは多くない中小規模サイトの場合も内部対策は大事ではあります。小規模サイトの場合は、まずGooglebotが正確にコンテンツを把握できるよう最低限のポイントを押さえて、スタートラインに立てるようにしましょう。

たまに、そもそも全ページに「noindex」が入っていて「どうにかならないか」と相談を受けることもあるんですよ(苦笑)

岩田:あってはならないですけど、たまに私も相談を受けます(苦笑)。WebサイトにおけるE-A-Tって何だと思われますか?

木村:断言はできませんが、私が気をつけているのはまず「運営元情報」をきちんと記載して検索エンジンに理解させること。そして「運営者の専門性」を可能な限り、「Googleがわかるようにしておく」ということです。

効果があるかは分からなくとも、個人的には次のようなことを保険的にもしておくようにしています。たとえばHTTPSの証明書、ドメインから運営組織を逆引きできるようにしておきます。そして、ソーシャルメディアなどとも連携。特に運営者や著者が専門性を持つ場合には、双方のリンクの関係をきちんと持たせるようにしています。またサービスサイトとコーポレートサイトを分けているなら、相互にリンクさせます。

「●●監修」という文言だけでは、専門性を伝えるのは難しいでしょう。

正直、何をもってGoogleが運営元を把握して、その専門性を把握できるか分からないので(笑) 個人的には可能性がありそうなことをなるべく全部やるようにしています。無駄なこともたくさんしていると思いますが、将来的にGoogleがどう変わるかも分からないので、やれることをやるように意識しています。

そしてコーポレートサイトの中身の充実も大事だと考えています。

  • なぜそのサービスをやっているのか?
  • そのサービスを自社がやる価値とは?

など。こういったことをしっかり書くようにと伝えています。どれほどの効果が期待できるかハッキリとは言えませんが、実際にこれらをやった結果、うまくいったケースがいくつかあります。

いずれにせよその領域における会社の専門性を、オンラインでの評判含めGoogleにきちんと理解してもらうこと。ここは積極的に取り組むようにしています。

岩田:自分たちの思いや哲学、創業の経緯も大事なんですね。

木村:そう思います。しかしながらそもそも、サービス説明すらきちんとできていないWebサイトもまだ多いというのが実態なんです。

そのサイトやサービスが、いかにその分野において優れていたとしても、そもそも記述がなければ専門性や権威性をGoogleが理解することはできませんから。

まずはエンティティ(実体)が把握できるようにすること。そして、Googleが ”人” だったとして、Webサイトの中でそのサイトの専門性を理解してもらえるように丁寧に記述していく。E-A-Tは、分野によっては非常に重要なので、やれることはとにかく全部やりましょうという感じですね。

岩田Googleという人が見たときに、分かりやすく記述することが大切なんですね。

木村:そうです。たとえば株式会社ユーティルであれば、同社についてGoogleに理解してもらわないといけません。しかし現段階でWikipediaは存在しない。であれば、何をすれば理解してもらえるかを考えることが大事なんです。

これができていない会社がものすごく多い。コーポレートサイトがペラペラのスタートアップってたくさんありますよね。あと、スタートアップでなくても、会社概要しか書いてないとか、サービスサイトにリンクすら貼ってないとか。

こんな初歩的なミスがなぜ起きるんだ?と思うかも知れませんが、会社が成長してきたときにも意外に起きやすい。たとえばコーポレートサイトとサービスサイトの管理が別々の部署になってしまっていると、こういうミスがあるので注意が必要です。

岩田:Web幹事にも、たくさんのホームページ制作の相談がきますが、このような発想を持っている会社は少ないですね。

木村:とくにYMYLの領域に関しては、いたるところで、その領域の専門性を伝えていく必要があると思います。

言葉では「医者」「法律事務所」「弁護士事務所」と書いてあっても、それはもしかしたらフェイクかもしれないので、YMYLで落とされてしまうんです。実際に、病院を装った病院ではないサービスサイトが最近出てきていますが、さすがに上がっていません。

本来、Webサイト同士をきちんとつなぐべきところがつながっていないのは、もしかしたら以前に発リンクを嫌う文化があったことが影響しているのかもしれません。昔はリンクジュースをそのページに溜め込むことによって順位が上がるという時代がありましたから。その名残で、外部リンクを全部nofollowにする風潮もいまだに残っているようです。

しかし今は逆だと言えます。リンク先にもよりますが発リンクした方がポジティブに作用することがあります。それはデータでも明確に出ています。

リンクジュースを溜めこもうという発想はせず、記述したことがファクトであることを証明するようなリンクなどユーザーの役に立つリンクは積極的に貼りましょう。

実際に、ECサイトなどでメーカーのページへのリンクをしっかり貼ったことによって順位が上がったケースがあります。それによる効果だけだったかは分かりませんが、とにかくポジティブに作用するであろうことはなるべくやるべきでしょう。

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岩田:ちなみに、正しい言語の記述方法というのはあるんでしょうか?

木村:なかなか回答が難しいテーマではあります… まず、標準的な日本語を書くことは重要です。たとえば高校生など特定の世代しか使わないような言葉というのは処理しにくい記述だと思います。「やばい」という言葉は、ネガティブにもポジティブに取れるので、美味しかったなら「美味しかった」と書くほうが無難でしょうね。

また、行間を読んでね、という書き方も避けた方がいいように思います。とはいえ、機械のためだけに書くと文章が固くなって、ユーザー行動に影響を与えかねないのでバランス感覚は必要ですね。

岩田:どちらかといえば、ユーザー行動の方を重要視するべきなんでしょうか?

木村:そこもなんとも言えません。どちらが重要かということはあまり考えなくていいと思います。

よく「SEOで何をやったらいいですか?」と聞かれますが、それってナンセンスな質問なんです。なぜなら、今のSEOは総合的に対策しないといけないし、サイトによっても違うものだからです。

たとえるなら大学入試のイメージでしょうか。国公立入試で「自分は数学が苦手だから0点でもいいでしょうか?」は当然通らないでしょう? すべての科目である程度バランス良く点を取れている必要がある。

ですが、サイテーションの獲得やソーシャルの運用など、自分たちにとって心理的ハードルがあるものを避けたがる企業は一定数います。気持ちは分からなくはないのですが、そこを避ける企業は成果が出にくいです。そこをなんとかするのが自分たちの仕事でもあるのですが、なかなか骨が折れますよね。

ですから最近、私が意識していることは「苦手(科目)にもちゃんと取り組む」そして「ダメなものはダメ」と伝えることです。なぁなぁで妥協してしまうと、結局痛い目を見ることになってしまうので。

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粘り強さがメディアを強くする

岩田:うまくいくメディアの特徴は何でしょうか?

木村:根性論みたいでアレですが、粘り強くメディア運営していることですね。粘り強くやっている人たちは簡単にメディアを捨てようとしないので、アクセスが落ちたり、多少大変なことがあっても、先ほどお伝えしたソーシャル運用やサイテーションの獲得、コーポレートサイトの充実等できることは何でもやろうとします。

粘り強さがある会社は、一旦落ちても腰を据えて運営することでしっかり回復している事例を見てきています。

そして、とくにスタートアップや中小企業の場合は、経営者の方がそういうスタンスであることが大事ですね。現場の方々からすれば「こんなに大変なことを本当にやるんですか?」ということばかりですから。しかも「これをやったら必ずアクセスが戻る」という保証もない。

でも、そこで経営判断として「可能性があることはやり切る」とジャッジできるかどうか。もちろん領域的に難しいところもありますが、経営者が粘り強い姿勢を見せられるかどうかはとても大事ですね。

とはいえスタートアップは見切りをつけることが必要なときもあります。YMYLの領域にかかってきてしまったときに、メディアを活かせそうなところに売却した例もありました。

今後、YMYLの領域はさらに広がっていく可能性があります。「うちは絶対大丈夫」というところはないかもしれませんね。「自分たちは医療機関・製薬会社だから大丈夫」とあぐらをかいて、その専門性を伝えるようにしていなければアウトな時代でもあります。

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SEOや検索エンジンがない世界を想像せよ

岩田:最後に読者の方に、今後のSEOについてメッセージをいただけませんでしょうか?

木村:SEOがうまくいくには、逆説的ですが「SEOや検索エンジンがない世界だったとしたら、どんなことに気をつけるだろう?」と自問自答するといいでしょう。

そんな世界があったとして、ご自身の行動を想像してみてください。訪問してくれたお客様に気持ちよくコンテンツを読んでもらうために、UXに気をつけるでしょう。つながりを強固にするためにソーシャルも頑張るでしょうし、PRにも知恵を絞るようになるはずです。SEOという概念があるから小手先のSEOに走ってしまい、やがてその小手先のSEOがGoogleに対策されてしまう。

「もし検索エンジンがこの世になかったら、何をすべきか?」を突き詰めて考えると、SEOに限らずメディアが良い方向に進む気がしますね。

岩田:本日はありがとうございました!

木村:こちらこそありがとうございました。

令和時代の最新SEO対策 まとめ

平成から令和のSEOの歴史を振り返り、これからの時代の最新のSEO対策について考えてみようと立ち上げた本企画。

今回、サイバーエージェント SEOラボ 研究室長 兼 メディア統括本部 SEO戦略室 室長 京都大学経済学研究科 研究員の木村賢氏にお話を伺いました。

前編では、SEOの歴史を振り返り、令和時代に求められるSEOについて。そして、後編では、最新のSEOの傾向を踏まえ、どのようにすればメディアを強くすることができるのか? その本質と具体的な手法について触れてきました。

今回の企画から、メディアを強化するヒントを手に入れていただけたら幸いです。

関連記事【保存版】令和時代の最新SEO対策は〇〇にあり~SEOのためにSEOをやるのはもはや時代遅れ~(前編)

※木村氏は2020年3月現在、本記事以外のコンテンツに関する監修・執筆は行なっておりません。