- 更新日 2022.01.17
ホームページ制作のコンペの注意点や評価方法を解説【評価シート付き】
ホームページ制作会社からの提案を受けていざ選定!
でもどうやって発注先を選んでいいか分からないという方へ。
制作会社からの提案は各社の特徴や強みが最も出るところ。
三者三様の提案を受けて、最後の1社に絞るのは非常に悩ましい決断かと思います。
また、発注先の選定は「価格」で決まりがち。安い業者に頼んであとで後悔することも。
そこで本記事では、ホームページ制作会社からの提案を受けて、合理的に発注先を選ぶ方法を解説します。
・上司が好みで決めてしまった経験がある
・価格以外にどこを評価すれば良いか分からない
そのような方は下記のような評価シートを使って選定をしてみましょう。
※評価シートは無料でプレゼントしております。詳細は記事の最後をお読みください。
ホームページ制作会社のコンペの評価方法
制作会社からの提案を評価するためには、「明確な評価軸を決めておく」ことが重要になります。
評価軸は大きく分けて3つ軸があります
- 提案について
- 制作会社について
- 担当者について
この3軸の各項目について評価をして、発注先を選定していきます。
評価は点数で行っても良いですが、知識ノウハウがない場合は「◯、△、×」で大丈夫です。
(今回は「◯、△、×」で評価シートを作成しました。)
提案についての評価
提案内容(重要)
当たり前ですが、制作会社からの提案は、提案依頼をした際に伝えた課題をくみ取ったものである必要があります。
- 課題に対して現実的なソリューションを提案してくれているか
- ホームページだけでなく、事業上の課題を理解してくれているか
- 自社の事業をしっかり理解していくれているか
の軸で評価を行いましょう。
見積もり金額・費用
予算に対して、どの程度の見積もり金額を提案してきているのか。を判断します。
正しく提案依頼できていれば、初期費用だけでなく運用費用についても提案がされているはず。
初期費用と運用費用、両方を判断して総合的に評価することが必要です。
「初期費用は安いけど、運用を含めて総合的に判断すると高い。」ということも良くありますので、要注意。
高いのか安いのか判断できない!という方は下記の相場情報をご覧下さい。
プロが教える ホームページ制作の費用・料金相場
納期・スケジュール
希望のホームページ公開日に間に合うか。を判断します。
こちらも正しく提案依頼できていれば、単純な納期だけでなく「プロジェクト全体のスケジュール」が制作会社から提案されているはずです。
各工程において無理のないスケジュールになっているかチェックしましょう。
※スケジュールのチェックの方法が分からないという方は、制作の流れを知ることが重要です。
10分で分かるホームページ制作の流れ(元Webディレクターが解説)の記事を参考にして下さい。
制作会社についての評価
制作会社の実力を評価する部分です。
過去の実績や提案などを通して、「何が得意な制作会社か」を判断するようにしましょう。
※ただし
・ホームページで集客をしたい:「マーケティング」部分の評価項目を増やす
・ブランディングをしたい:カテゴリに「ブランディング」を追加
など、プロジェクトの目的や性質において柔軟に変更してください。
企画・設計
制作会社の企画力・設計力を評価します。
- コンセプトやコンテンツ案など、企画を一緒に行ってくれる制作会社か
- 要件定義を一緒に行ってくれる制作会社か
などから判断しましょう。
企画や要件定義、ホームページのパフォーマンスに関わる重要部分です。
もし企画・設計から制作会社にお願いする場合は、この項目を重要視する必要があります。
デザイン
文字通り、制作会社のデザイン力を評価します。
提案時点では、デザイン案などが出てこないケースも多いので、その場合は過去の実績から評価するようにしましょう。
マーケティング
ホームページで集客を行いたい場合、この項目を設定します。
- 集客の戦略を考えてくれる制作会社か
- 過去に同じような業界で、集客の実績があるか
- 制作体制にマーケティング担当がいるのか
などから判断しましょう。
開発
CMSの開発やECサイトなどの場合、開発力も問われます。
- 要望通りの機能を開発できるか
- これまでに、同じような機能を開発した実績があるか
などに注意して判断しましょう。
ただし複雑な機能を要しないランディングページ・採用サイトなどの場合はこの項目は不要です。
保守・運用
ホームページ公開後のアフターフォローの充実度を評価します。
- そもそもホームページ公開後の運用に対応しているか
- メール対応・電話対応・訪問対応などのフォロー体制は充実しているか
- 目標達成のためにフォローをしてくれるか
などの観点から判断しましょう。
担当者についての評価
筆者が一番重要だと考えるのが、「この担当者について」の項目です。
いくら有名で実績のある制作会社でも、担当者との相性が悪い・担当者がやる気がない状態であれば、成果の出るプロジェクトにならないからです。
初回面談や提案時点など、担当者の動きをしっかり見ておきましょう。
相性
担当者のコミュニケーション力や自社担当者との相性を評価します。
コミュニケーション力には「聞く力」と「伝える力」2種類ありますが、重要なのは「聞く力」。営業時点では、話も上手で期待できそうな担当者だったのに、プロジェクトが開始したら「あれ?こんなはずじゃなかった・・・」となることがあります。
それは、担当者に「聞く力」がないから。
聞く力がある担当者は「営業トーク」はできなくても、「クライアントに合わせた魅力的な提案」をすることが可能です。聞く力は提案時より、提案前の面談・ヒアリングなどの方がわかりやすいので注意して見てみましょう。
熱意・モチベーション(重要)
全ての項目の中で最も重要なのがこちらです。
企業間の取引といえど、結局は「人 対 人」。その担当者の熱量が重要です。
熱量は「提案の数」に表れます。モチベーションの高い担当者は発注後も「提案」が尽きません。
モチベーションの高い担当者を選ぶことは、発注後の制作進行にも好影響を与えます。
ホームページ制作会社を評価するのに重要なポイント
- コンペを依頼するなら3社程度を目安に
- 会社の規模によって依頼を変えない
- サイト公開後の「運用」を決めておく
続いてはホームページ制作会社を評価する際のポイントを3つ解説します。
この3つは最低限、覚えておきましょう。
コンペを依頼するなら3社程度を目安に
上記のように提案を細かく評価していくためには、1社1社からしっかりと提案を受ける。ことが重要になります。
そのため、10社など数多く提案依頼をしてしまうと、提案を受けるだけで時間がかかり上手く「相対評価」できなくなる可能性があります。
コンペ(提案)を依頼するのは3社程度にしておくのが良いでしょう。
そのためには、最初に提案依頼をする制作会社を厳選しておくのが大事です。
優良な制作会社の候補の探し方はこちらをご覧ください。
30分あれば十分!効率的な優良ホームページ制作会社の探し方教えます。
コンペ依頼先は、大手・中小・フリーランスなど規模をバラバラにする必要はない
コンペを依頼する場合、「大手制作会社・中小の制作会社・フリーランスのデザイナー」など規模をバラバラにするやり方が散見されますが、筆者は必要ないと考えます。
コンペ依頼の際に、予算と納期をしっかり制作会社に伝えておけば、「その条件内で最大限できること」を提案してくれるからです。
※予算100万円のサイトに500万円の見積・提案をしてくる制作会社はまずいません。
(予算が制作会社の料金と合わない場合、提案依頼時に制作会社の方から断りを入れてきます)
逆に予算や納期を伝えず、「大手・中小・フリーランス」とバラバラに提案依頼をすると、提案もバラバラになってしまい判断が難しいといった状態にもなりかねません。
コンペ先を工夫するより、事前準備をしっかり行った方が提案の質は格段に上がります。
見積金額(価格)だけで判断するのは危険
ホームページ制作会社を選ぶ際にありがちな失敗は「価格だけで発注先を選んでしまう」こと。
特に役員や上司など「意思決定権者」に知識がない場合、分かりやすい価格で選んでしまいがち。
格安の制作会社には「格安」の理由があります。
格安ホームページ制作のカラクリや手口についてはこちらをご覧ください。
格安ホームページ制作の裏側暴露! 制作会社がこっそり教えます。
安易に格安の制作会社を選んでしまうと
- 全く成果のでないホームページが出来てしまった
- 成果物をコントロールするのに時間が取られ、時間が取られてしまった
- 運用時点の要望に答えてもらえず、改善ができなくなってしまった
ということがあります。注意してください。
サイト公開後の「運用」についてしっかり決めておくこと
制作会社の選定段階で、運用フェーズについて
- ホームページ公開の運用は対応してもらえるのか?
- 集客のための改善まで対応してもらえるのか?
- 運用にはどれくらいの費用がかかるのか?
など運用に関する事項はしっかり確認しておくべきです。
いざ運用をお願いしようとすると、「月額の運用費が非常に高い」「そもそも運用に対応していない」事実が納品直前に発覚した。という問題は意外と散見されます。
そうすると、運用できる制作会社を選び直さないといけなくなり、時間も費用もかさんでしまいます。必ずチェックしておきましょう。
関連記事:運用費用の相場に関する情報はこちら
ホームページの管理・運用に関する料金の情報をまとめました。ぜひご覧下さい。
ホームページ管理費の内訳と相場を徹底解説!
優良な制作会社に発注するための3ステップ
優良なホームページ制作会社に発注するためには
- 「良さそうな」制作会社候補リストを作る
- 「良い」提案依頼をする
- 提案を受けて、「良い」制作会社を見極める
という3ステップを進めることが重要です。
本記事では、「3提案を受けて、「良い」制作会社を見極める」を解説しました。
しかし提案を受けて制作会社を選ぶ前段階の2点が、しっかり出来ていることも大事です。
・「良さそうな」制作会社候補リストを作るにはこちらをご覧ください
30分あれば十分!効率的な優良ホームページ制作会社の探し方教えます。
・「良い」提案依頼をするためにはこちらをご覧ください
見積もりが安くなる!?絶対に行うべきホームページ制作発注の事前準備9点セット
・良い制作会社を「選ぶ」方法はこちらをご覧ください
プロが教えるホームページ制作会社の選び方5ポイント【失敗したくないかたへ】
ホームページ制作会社のコンペ・評価方法まとめ
ホームページに関する知識やノウハウもない状態で発注先を選ぼうとすると、どうしても主観や好みに左右されがちです。
そういう時は、本記事で使用した評価シートを活用してください。
あまり項目などに細かくこだわりすぎる必要はありません。
制作会社を選ぶのに必要な要素を取り出して、1つずつ評価していくのが重要です。
そして一番見るべきは担当者の熱意!「一緒に仕事をしたい!」と思えるかどうかを良く考えてみてください。
その際、下記の点もお忘れなく。。。
- コンペを依頼するなら3社程度を目安に
- コンペ先制作会社の規模をバラバラにする必要はない
- 見積金額(価格)だけで判断するのは危険
- サイト公開後の「運用」についてしっかり決めておくこと
制作会社をしっかり選んで良質なプロジェクトにするために、ぜひ実践してみてください。
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本記事で使用した評価シートのサンプルを、Excelファイル形式でご提供しております。
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この記事を書いた人

岩田 真
専門分野: ホームページ制作,ディレクション,Webマーケティング
株式会社ユーティル代表取締役。2015年にWeb制作会社として株式会社ユーティルを設立。Webディレクター・営業担当として、3年で上場企業を含む50社以上のホームページ制作に従事。経験・スキルがゼロの状態からホームページ制作事業を始めたので初心者の方に分かりやすく、業界の知識をお伝えできます!
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