- 更新日 2023.11.17
- カテゴリー ECサイト
ECサイトとは?作り方や運営業務を簡単に解説【2024年最新版】
ECサイトを始めるにあたって、そもそもどんな知識を身につければいいのか分からない。
そんな方のために本記事では、ECサイトの作り方から、運営に関する情報まで網羅的に解説します。すべてを説明すると書籍なみの分量になるため、詳しくは関連記事を紹介し、本記事ではECサイトを始めるにあたって何を知っておくべきなのか?がザックリと分かるようになっています。
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ECサイト制作に役立つ記事もご覧ください 【プロ監修】売れるECサイトの作り方を準備から開設・集客まで解説
ECサイトとは?
ECサイトとネットショップの違い
まずは、ECサイトを作る前に、基礎知識を押さえておきましょう。ショップ作成や運営にも関わる情報です。
そもそもECサイトとは「インターネット上で買い物をするWebサイト」のこと。ECはElectlic Commerce(エレクトリックコマース)の略で、日本で「電子商取引」と訳します。似た言葉にネットショップがありますが、意味に違いはなく、ECサイト=ネットショップと考えて大丈夫です。
ECサイトの種類
ECサイトは大きく「ECモール」と「自店舗EC」の2種類に分かれます。
- ECモール:Amazonや楽天市場やメルカリなど、すでにあるお店に出品・出店する
- 自店舗EC:自分の店(Webサイト)をつくって商品を販売する
どちらを選んだらいいのか迷うかもしれませんが、結論から言うと、「自店舗EC」と「ECモール」の両方を持つことがおすすめ。
それぞれの違いは後で説明しますが、自社ECに来るお客様とECモールに来るお客様はかぶりません。できるだけ複数のお店を持つことで、多くの顧客を獲得できます。事実、国内のEC売上の上位400社の75%以上は2店舗以上、運営していると言われています。
※もちろん、それぞれのECサイトの収益性によって判断は変わります
ECモールもできるだけ多く出店することがおすすめ。Amazonで買い物する人はAmazonでしか買わない人が多く(筆者がそうです)、楽天市場で買う人は楽天市場以外で商品を探さない場合がほとんど。調査によるとAmazonと楽天の両方で買い物をする人は全体の数%以下と言われています。
ECサイトの市場規模
2019 年 |
2020 年 |
|
---|---|---|
食品、飲料、酒類 |
1.8兆円 |
2.2兆円 |
生活家電、AV 機器、PC |
1.8兆円 |
2.兆円 |
書籍、映像・音楽ソフト |
1.3兆円 |
1.6兆円 |
化粧品、医薬品 |
0.6兆円 |
0.7兆円 |
雑貨、家具、インテリア |
1.7兆円 |
2.1兆円 |
アパレル |
1.9兆円 |
2.1兆円 |
その他 |
0.7兆円 |
2.9兆円 |
物販系EC総計 |
10 兆 515 億円 |
12 兆 2,333 億円 |
※令和2年の経済産業省のデータを元にWeb幹事で作成した表
経済産業省が実施した電子商取引に関する市場調査によると、2020年の国内のECサイトの市場規模は12 兆 2,333 億円(消費者向けの物販の数字)。前年と比較して1兆円以上伸びています。
コンビニの市場規模が約11億円と言われているので、いかにECサイトの需要が高いかが分かります。近年の傾向は、直接商品を見たり試着したりしてサイズ感や素材感を確かめたいニーズの強いアパレル商材や、鮮度が気になる食品業界も伸びていること。
広義の意味では音楽や映像の無形販売(ダウンロードやサブスクリプション)もECサイトにあたり、今後もECサイトの需要は伸びていくと考えられます。食品、アパレルを始める方は下記の記事もご覧ください。
関連記事:アパレルのECサイトで成功する対策、成功事例まとめ
関連記事:食品ECサイトは立ち上げるべき?課題と対策・参考サイトの事例を紹介
ECサイトのトレンド
モバイルのデザインがベース
現在のECサイトは、スマートフォンでのデザインを先に考え、それを軸にパソコンサイトのデザインを考えるようになっています。ユニクロもモバイルサイトをベースにしています。以前はパソコンのデザインを考え、それをスマートフォンに適応させる方法が主流でしたが、現在のトレンドは逆。
ECサイト訪問者の半分以上がスマートフォン経由なので、スマホファーストで考えることがトレンドの1つです。
ID決済の需要が増えている
画像引用:ミレー
もう1つのトレンドが、ID決済。PayPayやAmazonペイなど、ID決済を利用する方が増えているため、ECサイトにID決済を導入する店舗が増えています。
ID決済のポイントを貯めたい購入者も多く、ECサイトにおける重要な観点のひとつとなっています。
関連記事:おしゃれなECサイトのデザイン事例30選!トレンドや費用も解説!
ECサイトのビジネスモデル
BtoC:企業から消費者への販売
BtoC(Business to Consumer)は企業から消費者に対して販売する形式のビジネスモデルです。
例えば、メーカーが作った商品を物流サービスを通したり、家電量販店の運営するECサイトやECモールなどで販売する一般的な形式がBtoCにあたります。
BtoB:企業から企業への販売
BtoB(Business to Bsiness)は、 企業が企業に対して何らかの商品やサービスを販売する形式のビジネスモデルです。
例えば、事務用品や oa機器などのオフィス製品を企業向けに販売するなどがあります。
規模が大きくなるため、大量受発注や単価の高い製品の販売が起こりやすいのも特徴です。
CtoC:消費者から消費者への販売
CtoC(Consumer to Consumer)は消費者が消費者に対して販売を行う形式のビジネスモデルです。
たとえば、個人の運営するオンラインショップをはじめ、フリマアプリやネットオークション などのプラットフォームを通して消費者が消費者に対して商品を販売する形式がこれにあたります。
DtoC:メーカーから対象への直接一貫販売
DtoC(Direct to Consumer)はメーカーが生産した商品を独自の流通やオンラインオフライン含めたショップ道で直販する形式のビジネスモデルです。
自社で生産から販売までを一貫して行うため間に仲介業者が入らない分、比較的低コストでユーザーに対して商品を提供できるメリットがあります。
また、生産・在庫・ECサイトでの販売などあらゆる1次データを取得できるため、データ分析による改善もしやすい点も大きなメリットになります。
越境EC:海外ユーザーへの販売
越境ECは海外ユーザーに対して商品を販売する形式の EC サイトです。
日本以外の市場へ進出することで販路拡大が見込めるメリットがあります。
一方でターゲットとする国や地域の商習慣や文化に合わせて戦略を考えたり、多言語対応する必要が出てくるなど国内で販売する場合とは別に 検討することも出てくる点には注意が必要です。
O2O:オンラインとオフライン(店舗)の連携販売
O2O(Online to Offline/Offline to Online)はオンラインからオフライン、あるいはオフラインからオンラインをつなげて販売する形式のビジネスモデルです。
例えば店舗で実際に商品を見た後にネットショップで商品を購入してもらうといった行動がO2Oに 当たります。
また、オンライン広告などを通して知ってもらった商品を買ってもらうために、来店キャンペーンを行い訪問を促すなどオンライン起点で実店舗に来てもらうといった形もO2Oにあたります。
【相場別】ECサイトの事例一覧
次に、制作にかかる費用別にECサイトの事例を見ていきましょう。作りたいECサイトがイメージしやすくなります。
30万円以下のECサイト
30万円以下のECサイトの事例
画像引用:chi-dash.com
30万円以下のECサイトは、シンプルなデザインで写真や商品の説明は発注する側が用意するショップです。楽天市場やAmazonなどへの出品や、無料のECサイト作成サービスを活用して作ることが多いです。
目安として商品点数は1〜3程度で、とにかく安くECサイトを始めてみたい、実験的に商品をECサイト上で売ってみたい方向けになります。
50万円〜100万円のECサイト
50万円〜100万円のECサイトの事例
画像引用:株式会社コッカ
50万円〜100万円のECサイトは、Amazonや楽天などへの出店ではなく、独自の自店舗ECです。商品ページ以外にも、商品への思いや開発秘話などのコンセプトページもある状態です。
写真や商品説明は発注側が用意することが多く、有料のECサイト作成サービスを使い、プロの制作会社に制作を依頼します。
100万円〜300万円のECサイト
100万円〜300万円のECサイトの事例
画像引用:SALON PLUS
100万円〜300万円のECサイトはオリジナルのデザインや、業務に合わせた機能を追加するなど、しっかりしたECサイトを制作する価格帯。
デザイナーがついてオリジナルのデザインを考えたり、商品説明もプロのライターが書いたりと、コンテンツのクオリティも上がります。
商品ページ以外にもブログの発信や会員登録、お客様がお気に入りの商品をリスト登録できるなど凝った機能も追加できるため、他社と差別化したECサイトにしたい方向けの価格帯です。
300万円以上のECサイト
300万円以上のECサイトの事例
画像引用:闘魂SHOP
300万円以上のECサイトは、10人以上など大人数でECサイトを運営する方や、集客や販促のプロのコンサルティングを受ける本格的なショップです。
自社システムとの連携や業務効率化のための機能など、事業として本格的にECサイトを運営していくための機能やサポートも充実しています。
ECサイトに関する費用は下記の記事に詳しく書いてあります。あわせてご覧ください。
関連記事:ECサイト構築の費用と料金相場を徹底解説!【相場早見表・事例あり】
【種類別】ECサイトの作り方と費用一覧
種類 |
費用の目安 |
特徴 |
代表的なショップ |
---|---|---|---|
ECモール |
無料〜10万円 |
・ECモール自体に集客力がある ・カスタマイズできない ・売上手数料が引かれる |
・Amazon ・楽天市場 ・Yahoo!ショッピング |
ASP |
無料~300万円以上 |
・構築費用・維持費が低コスト ・カスタマイズにも対応 ・他社へ乗り換えがしにくい |
・Shopify ・BASE ・カラーミーショップ |
オープンソース |
10万〜500万円 |
・乗り換えがしやすい ・カスタマイズにも対応 ・サーバーが必要 |
・EC-CUBE ・Magento |
パッケージ |
100万〜500万円 |
・導入スピードが早い ・他社への乗り換えがしにくい ・機能が提供サービスに縛られる |
・EC-ORANGE ・ecbeing ・ebisumart |
次にECサイトの作り方を4種類紹介します。ECサイト作成サービスは競争が激しく、見せ方や機能など進化が早いです。2022年9月時点での情報をもとに解説していますが、詳しくは各サービスの公式サイトをご覧ください。
ECサイトの種類によって向いている業種やジャンルなどの違いはありません。今回はザックリとした知識を伝えるために作り方を上の4つに分類しましたが、正直に言うと「ASP」「オープンソース」「パッケージ」などで特徴の違いを説明するのは難しく、実際はサービスによってピンキリであることを覚えておいてください。
また、ECサイトは一度導入すると、売り場を入れ替える労力が大きいため、最初に適切なお店を選ぶことが大切です。
次の章で無料で作れるECサイト作成サービス(ASP)を紹介しますので、不安な方はまずは無料サービスで試してみるといいでしょう。本格的にECサイトを運営していく方は、有料で作り込んだECサイトが作れるサービスを選びましょう。
ECモール
ECモールの特徴
・ECモール自体に集客力がある
・カスタマイズできない
・売上手数料が引かれる
ECモールはショッピングモールのような複合型のECサイトで、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、すでに母体があるWebサイトに店舗を出します。
最大のメリットは有名モール自体に集客力があること。購入する前提のモチベーションで訪れるユーザーも多いため、訪問者の購入率も5%前後と高い数値です。一般的なECサイトの購入率は1%〜2%なので、売り上げが期待できます。
その代わり商品が売れた際に母体のECモールに支払う手数料は高めになるので、自店舗ECに比べて利益は少なくなります。
ECモールの作り方
作り方は上の画像のように、商品ごとに画像・説明文・価格などの情報を入力していく方法。自由度はありませんが、初心者でも作りやすいことがメリットです。楽天市場のショップの作り方は下記をご覧ください。
関連記事:楽天ECサイトの作り方を解説!初心者でも簡単に出来るツールも紹介
ECモールの費用の目安
ECモールにショップを構える費用の目安は無料〜10万円で、有料のサービスは初期費用や月額費用を支払います。
例えば、楽天市場に出店する最安のプランは初期費用60,000円+月額出店料19,500円です(2022年9月時点)。ECモールにも特徴の違いや向いている商材などがありますので、下記の記事も参考にしてください。
ASP
画像引用:Shopify
ASPの特徴
・構築費用・維持費が低コスト
・カスタマイズにも対応
・集客は自助努力が必要
EC サイトのASP(Application Service Provider)とは、ソフトを購入したりインストールしたりして使うのではなく、インターネット上で共通のサービスを利用してネットショップを作るサービスのこと。
ブログで言えばアメブロやnoteなどネット上で共通のサービスを使うものがASPです。上の画像のShopifyがASPの代表例で、作りたいECサイトの規模やクオリティにもよりますが、ASPは構築費用・維持費が低コストで、カスタマイズにも対応しています。
デメリットとしては乗り換えがしにくい点。そのASPの仕様に縛られるため、万が一、他のサービスに変えたいと思った場合は、使えない機能やデザインなどが出てきます。
また、ASPも販売手数料はかかり、ECモールよりは安いとはいえ、商品が売れるごとに手数料をASPの企業に支払います。
画像引用:ゴーゴーカレー
ASPのShopifyで作られたECサイトの事例としてはゴーゴーカレーがあります。
ASPでのECサイトの作り方
上の画像は無料ASPの「BASE」の作成ページです。作り方は楽天市場などのECモールと似ており、決められた型に商品名や説明文、写真などを入力する形。
ドラッグ&ドロップ(マウスの移動とボタン操作のみ)で作れるので、初心者でも安心です。
お店のデザインもテンプレートから選ぶ形で、ECモールと違って自分で決められます。下のECサイトはBASEのテンプレートに写真を貼っていき作られたものです。
画像引用:紡ぐキッチン
カスタマイズも可能
さらに、HTMLやCSSなどの言語の知識があれば、ある程度は自由にカスタマイズできるので、思い通りのECサイトにできます。
画像出典:Noweee
上のアパレルのショップはBASEで作成したネットショップ。ブランドのイメージに合わせたレトロでカジュアルな雰囲気を出すため、テンプレートではなくHTML言語で制作会社が作っています。制作期間は約3週間です。
ASPの費用の目安
ASPは無料サービスや有料サービスに分かれ、どのサービスを選ぶか、どの規模のショップにするかによってピンキリです。そのため無料~300万円と範囲が広いです。Web幹事に相談いただく方は50万円前後でECサイトを作られる方が多いです。どのASPが自社に合うかは下記の記事を参考にしてください。
オープンソース
画像引用:EC-CUBE
オープンソースの特徴
・乗り換えがしやすい
・カスタマイズにも対応
・サーバーが必要
オープンソースとは、ソースコード(システムを作るコンピュータ言語)が無償で公開されているサービスのこと。下の画像が当サイト・Web幹事のソースコードの一部です。
WordPressを使った経験がある方は、そのEC版と思ってもらえれば大丈夫です。
画像引用:DOUTORオンラインショップ
オープンソースのEC-CUBEで作られたショップ事例にDOUTORオンラインショップがあります。
どのような仕組みでECサイトが構築されているかオープンになっているので、他のサービスやシステムに変えようと思ったときも乗り換えがしやすいです。先ほどのASPであれば、構造が公開されていないので、例えばBASEからShopifyに変えようとするとき苦労します。
関連記事:EC-CUBEとShopifyの機能を比較!自社のECサイトに合うのはどちら?
そのほかのASPとの違いは、オープンソースはサーバーを自分で用意する必要があること。
昔の映画やテレビドラマで見たことがあるかもしれませんが、上の画像のような文章や写真などのデータを保存する倉庫のようなものです(細田守監督の映画『サマーウォーズ』でも登場します)
ECサイトを公開するにはサーバーが必要になり、データ量などによって適切なサーバーを探す必要があります。
関連記事:レンタルサーバー比較21選!失敗しない選び方も解説
オープンソースでのECサイトの作り方
画像引用:WebドクターのITアカデミー
オープンソースでのECサイトの作り方はASPと同じ2パターン。上の画像のようにドラッグ&ドロップで簡単に作れるサービスもあれば、下の図のように言語を入力してデザインやレイアウト、機能などをカスタマイズすることもできます。
作り方に関しては、ASPと大差ないと考えて大丈夫です。
オープンソースの費用の目安
オープンソースでECサイトを作る場合の費用の目安は、10万〜500万円です。ショップの規模や機能によって変動するため、ASPで作る場合とそこまで差はありません。
関連記事:EC-CUBEの料金をライセンスごと・ec-cube.coについても紹介!
パッケージ
画像引用:EC-ORANGE
パッケージの特徴
・導入スピードが早い
・他社への乗り換えがしにくい
・機能が提供サービスに縛られる
パッケージとは、ECサイトを構築するために必要な機能が、あらかじめ搭載されているソフトのこと。オリジナルの機能をカスタマイズすることで、独自のECサイトを構築するサービスを指します。ECパッケージのecbeingでは、下記のような機能が最初から搭載されています。
画像引用:ecbeing
同じ規模のECサイトを作る場合、すでに機能が用意されているため、構築が早いことが特徴です。中にはソースコードを教えてくれるサービスもありますが、基本的には、パッケージの仕様に縛られるため、他社への乗り換えや機能が提供サービスに縛られることがデメリットになります。特徴に関してはASPと似ています。
パッケージでのECサイトの作り方
パッケージはソフトを購入してECサイトを作り、決められた型に情報を入力するものや、コンピュータ言語を入力してカスタマイズするパターンがあります。
パッケージの費用の目安
パッケージの費用の目安は100万円〜500万円です。実際はECサイト開設後もランニングコストがかかるため、資本力のある企業向けのサービスです。
・他社と差別化できる独自のECサイトを構築したい企業
・ECサイトと自社システムを連携させて業務効率化したい企業
・独自性の高いECサイトを短期間で構築したい企業
初期費用・年間運用費を払える企業でなければ、ECパッケージの導入はおすすめできません。ECパッケージの場合、少なくとも年商1億円規模以上を前提に、さらにビジネスを加速させたいECサイトで活用するといいでしょう。
関連記事:ecbeingの料金・おすすめの企業|CVRが1.3倍になった事例も紹介
関連記事:Orange EC(EC-ORANGE)の料金|類似サービスとの比較・おすすめの企業
【番外編】フルスクラッチ
画像引用:creema
個別のお店ではなくShopifyなどのECシステムや、AmazonなどのECモールそのものを開発される方も増えてきています。その場合は何かのECサービスを使うというより、コンピュータ言語を用いて1から完全に作っていくフルスクラッチ開発になります。
例えば、筆者がiPhone13のケースを買った「creema」というショッピングモールは、さまざまなクリエイターたちが手作りの商品を出品できるマーケット。お客様とクリエイターがやり取りする形で、「最近は寒くなってきましたが、体調いかがでしょうか?」など、心温まるメッセージをもらい筆者もファンになりました。このようなECモールなどを開発する場合はスクラッチで行います。
関連記事:ECプラットフォームとは?選び方、4つのサービスを徹底比較!
※どの作り方が自社に合うのか迷っている方はWeb幹事にご相談ください。予算や目的から最適な作り方をご提案させていただきます。作りたいECサイトがどれくらいの費用がかかるのだろう?といった相談だけでも大丈夫です。相談料は無料なので、お気軽にお問い合わせください。
無料のECサイト作成サービス
ECサイトを始めるにあたって、まずは無料で作ってみたい方に、無料の作成サービス「BASE」を紹介します。
下記のような方は、まずは無料サービスで作るのもおすすめです。
・初めて自分のネットショップを立ち上げる
・費用をかけずにとりあえずショップを立ち上げたい
・副業・副収入が目的でネットショップを始める
・実店舗を持っておらず商売そのものも初めて
BASE(ベイス)
画像引用:BASE
BASEのおすすめポイント
・初心者でも簡単に作れる
・無料アプリを追加しショップを充実できる
BASE(ベイス)はネットショップの作成から運営までをすべて無料で行うことができるツールです。商品登録数は無制限なので、種類や商品点数が多いお店にも対応しています。
ECサイト初心者でも写真をアップロードして商品の説明を書くだけでショップの開設・運用が行えます。
ネットショップ初体験の筆者も試してみましたが、2〜3個の商品だけのショップなら1時間前後で作れてしまいました。しかも、スマホからでも操作できるため、外出先や移動中でも注文やお店づくりが可能です。
また、さまざまな無料アプリを追加してショップの機能を追加していくこともできます。「お客様からアンケートを取りたい」「送料を商品ごとに設定したい」など、様々な機能を追加してショップを充実させたい場合、アプリをインストールするだけで済みます。
また、2022年4月18日からは売り上げ17万円以上/月のお店向けに、販売手数料(商品の売上の一部をBASEに払う)が安くなる「BASE グロースプラン」の有料版もリリースされました。
BASE(ベイス)の概要
|
BASE |
|
---|---|---|
スタンダード |
グロースプラン |
|
初期費用 |
0円 |
0円 |
月額費用 |
0円 |
5,980円 |
決済手数料 |
(各注文ごとに)3.6%+40円 +サービス手数料3% |
2.9% サービス手数料なし |
振込手数料 |
250円 +2万円未満の場合は 事務手数料500円 |
250円 +2万円未満の場合は 事務手数料500円 |
振込サイクル |
振込申請から10営業日以内 |
振込申請から10営業日以内 |
お急ぎ振込:最短翌営業日 |
お急ぎ振込:最短翌営業日 |
|
手数料1.5% |
手数料1.5% |
|
クレカ決済導入 |
申請後すぐ利用可能 |
申請後すぐ利用可能 |
ECサイトに必要な機能
立ち上げ時から欲しい4つの機能
次にECサイトを立ち上げる際に必要な機能を紹介します。多くの方は「ECサイトを作るなら色んな機能を付けたい」「多機能のほうがお客様に便利」と考えますが、これがECサイトの落とし穴。
あれもこれも詰め込むと、ボタンや情報量が多すぎて逆に使いづらくなってしまいます。ECサイトを立ち上げた当初は、下記の必要最低限の機能からスタートしてください。
機能 |
必要な理由 |
---|---|
商品のレビュー |
口コミの効果で購入を後押しする |
再入荷のお知らせ |
売り逃しの機会損失を防ぐ |
お気に入り登録ボタン |
買いそびれを防ぎ、購入率を上げる |
カートリマインド |
カゴ落ちによる販売機会の損失を防ぐ |
運営してみると「これは要らない」「あれは必要」と改善点が溢れてきます。はじめから多くの機能を盛り込むと、いざリニューアルをするときに予算が足りなくなるのが現実。
また、初期はお客様の訪問も少なく、データ分析ができないため、その機能が良いのか悪いかの判断ができません。はじめは上の4つの機能だけにし、訪問者が増えてきたらデータをもとに分析を行いましょう。
立ち上げ時には不要な機能
逆に、ECサイトの立ち上げ時には不要な機能もあるので押さえておきましょう。
機能 |
不要な理由 |
---|---|
過度なユーザー登録情報 |
入力項目が多すぎて売り逃しの原因となる |
ポイント制度 |
構築費用に対して売上への寄与が少ない |
会員ランク |
構築費用に対して売上への寄与が少ない |
上記の詳しい理由や、ECサイトに必要な決済方法を知りたい方は下記で解説していますので、参考にしてください。
関連記事:【プロ監修】売れるECサイトの作り方を準備から開設・集客まで徹底解説
ECサイトを立ち上げたあとの運営業務
ECサイトの主な運営業務
・商品戦略
・仕入れ・商品管理
・商品撮影・文章作成
・集客・プロモーション
・受発注管理・売上管理・入金確認
・出荷
・アフターサービス
最後にECサイトを立ち上げたあとの運営業務を簡単に説明します。詳しくは関連記事で解説しますので、「こんな運営業務があるんだな」と理解してもらうだけで大丈夫です。ECサイトを立ち上げるかの判断、立ち上げ後のイメージの参考にしてください。
フロント業務
ECサイトの運営業務は「フロント業務」「バックエンド業務」の2つに分かれます。商品の撮影や集客など、商品が売れるまでの運営が「フロント業務」。商品が売れたあとの発送やアフターサービスなどが「バックエンド業務」です。
フロント業務はまず、どんな商品を売るのか戦略を考え、商品の撮影や文章を作ってECサイトを完成させます。その後、商品の仕入れを行いつつ、来店してもらうための集客を行います。
在庫は想定月商の2ヶ月分を仕入れておく
フロント業務はどれも重要ですが、ECサイトを始めた方が陥りやすいミスが仕入れの部分。「どうせすぐには売れない」と思い込んで在庫なしでスタートするケースが多いですが、これは危険。
季節トレンドや広告が上手くいった場合など、予想外の注文数になるケースもあります。そのため、少なくとも商品の在庫は想定月商の2ヶ月分は持っておきましょう。例えば月商5万円を見込んでいる場合は、10万円分の在庫を仕入れてください。
予想外に売れて仕入れが追いつかなくなった場合でもコントロールできるのが2ヶ月分。納期に間に合わなければクレームになり、信頼を失うだけでなく、ネットでのネガティブな書き込みや口コミにもつながります。
貴重なお客様の売り逃しになるだけでなく、その損を取り返すのが難しくなるので注意してください。
商品写真の撮影やショップへの集客は下記を参考にしてください。
関連記事:ECサイトの売上につながる写真の撮り方、注意点!写真撮影外注時のポイント
関連記事:ECサイトの集客を伸ばすには?効果的な集客方法や成功事例について解説
バックエンド業務
商品の在庫管理・販売後の受注・売上・入金管理、出荷からアフターサービスまでをカバーする業務が「バックエンド業務」です。
発送・出荷はお店で商品を買っていくリアル店舗と違い、ECサイトの運営で比重がかかる業務。「物流を制するものがECサイトを制す」と言われるほど、EC業界の配送サービスは激化しています。注文した日に届くAmazonの当日配送や、送料無料サービスなどが一例です。
売上規模の拡大とともにバックエンド業務の負担が大きくなるのは、ECサイトならでは特徴です。
アフターサービスは軽視されがち
バックエンド業務で最も後回しになるのが、アフターサービス。しかし、その場で質問できるリアル店舗と違い、ネットショップは商品の説明や使い方、納期の確認、クレームなどが電話やメールで問い合わせが来ます。
お客様からの問い合わせに対応する窓口の人員や経験が十分でないと、サービス面で他社サイトには勝てません。大手のECモールや有名店と違い、自社ECサイトはコールセンターの役割がとても重要だと覚えておいてください。
関連記事:【初心者向け】ECサイト運営の業務7つと必要なスキルを解説!
【まとめ】ECサイトを立ち上げる際のチェックリスト
以上、ECサイトの立ち上げを検討している方に、基礎知識を解説しました。会社の事業としてECサイトでしっかり利益を出したい方もいれば、ネットショップには注力せず、本業(実店舗)にプラスαの利益があればいいと考えている方など、様々なニーズがあるでしょう。
全員に共通していることは、ECサイトを作ることが目的ではなく、成功するためにショップを立ち上げること。本格的な事業として考えている場合は、月商300万円以上が必要になります。月商300万円とは、ネットショップの担当者を1人置いた場合に、収益が出るギリギリのラインです。ECサイトを始めるときは下記のチェックリストを確認してください。
ECサイトを始める際のチェックリスト |
チェック |
---|---|
市場・競合・自社の3C分析は行ったか? |
□ |
将来的に月商300万円以上を達成できそうか?(※) |
□ |
お店はECモールに出店するか、自社ECサイトを作るか? |
□ |
取り扱う商品は、型番商品か非型番商品か? |
□ |
ECサイトのデザイン・機能は参考サイトをチェックしたか? |
□ |
ECサイトの機能は必要最低限にとどめているか? |
□ |
最低限ほしい3つの決済方法は完備しているか? |
□ |
集客するための3つのチャネルを理解しているか? |
□ |
CVRを改善する知識は頭に入れているか? |
□ |
商品の在庫は月商の2ヶ月分を確保しているか? |
□ |
倉庫・物流・配送は自社で管理するか外部に依頼するか? |
□ |
特商法・利用規約は理解して、商品にも同梱されているか? |
□ |
お客様対応ができるカスタマーサポートは設計できているか? |
□ |
チェックリストについては下記で詳しく説明していますので、参考にしてください。
また、ECサイトならではの集客方法も解説しています。
関連記事:【プロ監修】売れるECサイトの作り方を準備から開設・集客まで徹底解説
最後まで記事を読んだけど、ECサイトを作るべきか迷っている方はWeb幹事にご相談ください。作ろうと思っているECサイトがどれくらいの費用がかかるのか聞きたいなどの相談でも大丈夫です。予算や目的などをヒアリングし、無料でアドバイスいたします。
ECサイト制作に役立つ記事もご覧ください 【プロ監修】売れるECサイトの作り方を準備から開設・集客まで解説
Q. ECサイトとは何ですか?
「インターネット上で買い物をするWebサイト」のことです。ECはElectlic Commerce(エレクトリックコマース)の略で、日本語では「電子商取引」と訳します。類似している言葉として「ネットショップ」がありますが、意味に違いはなく「ECサイト=ネットショップ」と捉えて良いです。
Q. ECサイトのメリットは?
ECサイトのメリットは「初心者でも作りやすい」「集客力がある有名モールでも出品できる」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
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この記事を書いた人
松田 光正
専門分野: SEO,ライティング
スポーツ新聞社での校正・校閲を2年経験し、髪の毛の情報サイト「ヘアラボ(旧ハゲラボ)」にて2年半のライター経験を積む。自身がアナログ人間のため、Webの知識を学びつつ、圧倒的な初心者目線のコンテンツをお届けします!
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